プロット

文字数 1,075文字

【起】
 少年五年生のコタローはある日、道端で弱っていた狸を介抱すべく家に連れて帰った。
 その甲斐あって元気になった狸は、何故か人間の言葉を話して礼を言った。
 普通なら驚くか怖がるところだろうが、コタローは珍しいものが見れたとばかりに喜んだ。
 そんな彼を見た狸はこう言った。
「この子こそが、僕がずっと探していた『聖幻戦士』だ」

【承】
 狸は実は神様の使いで、長い間「聖幻戦士」を探していたと言う。

 今はインターネットが普及したせいか心の世界がおかしくなってきて、たくさんの魔物が生まれている。
 それは鉄砲でもミサイルでも倒せない。
 人の心に巣食う魔物だから、人の心に入って倒さないと。
 それができるのが、聖幻戦士なんだ。
 
 狸がそう言うが、コタローは難しくてよくわからないと言う。
 けど、悪い奴をやっつける事だけはわかったよ、と。

 まずは近くにいる魔物を倒そう。
 友達が苦しめられて泣いてるよと、狸は言った。

 それは学校裏サイト。
 そこでは一人の少女、コタローの友達でもあるサナエが標的にされていた。
 サナエは病気になったと思っていたコタローだったが、実際は不登校になっていた。
 それを聞いて怒ったコタローは早くなれる方法教えてと言うと、寝ればなれるよと狸が言うので、ベッドに入ってあっという間に寝てしまった。

【転】
 夢の中、いや心の世界。
 そこでのコタローは、銀色のかっこいい鎧にかっこいい剣を持っていた。
 狸もそこにいて、コタローを魔物がいる所へと連れて行った。

 そこには黒くて大きくて不気味な虫のような魔物がいた。
 勇んで来たものの、それを見て怖くなったコタロー。
 そこから逃げ出したが、途中でサナエが泣いているのを想像して立ち止まった。
 自分がこのまま逃げたら、サナエはずっと泣き続ける。いや死んじゃうかも。
 そう思って勇気を振り絞り、来た道を戻っていった。

 あいつの頭を叩けばいい、と狸が言う。
 コタローは思いっきり飛び上がり、魔物の頭目掛けて剣を振り下ろした。
 するとあっけなく魔物は真っ二つになり、消えていった。

 これでもう大丈夫だよと狸が言うと、コタローは喜び飛び跳ねた。

【結】
 その後、裏サイトでいじめをしていた子達は憑き物が落ちたかのように人が変わり、皆サナエに自分が悪かったと謝った。
 サナエはしばらくしてから学校に来るようになった。

 よかったねと思うコタロー。
 だけどまだ魔物はいるんだよね? と狸に言うと
 
 そうだよ、まだまだいる。長い戦いになるけどいいかな?
 うん、怖いけど頑張るよ。
 
 聖幻戦士コタローの戦いはまだまだ続く。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み