嘘つき

文字数 395文字

 ある日、神が地上に降臨なされた。
 神は、こうおっしゃった。
「全ての国の元首を我が前に集め、話を聞かせよ。その話の中に、少しでも嘘があれば、その者の命はないであろう」
 こうして、全ての国の元首が神の前に引き出された。
 まず、最初の国家元首が言った。
「アメリカの大統領、Tです。私は国民のためを思い……」
 次の瞬間、ぼんっ! とT大統領の身体は砕け散った。
 それに恐れをなした各国の元首たちは正直に自らの思いを吐露していく。
 そして、日本の番がやってきた。
「日本の総理大臣であるAです。私は国民のことなどどうでもいい。ただ私腹を肥やすことと承認欲求が満たされれば、それでよいのです。いずれは海外に亡命するつもりでありました」
 涙ながらに訴える日本のA総理。
 神は彼を下がらせ、次の国家元首を呼んだ。
 呼ばれた元首は緊張した様子で口を開いた。
「私は韓国の」
 ぼんっ!
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