勝手ないきもの

文字数 397文字

 今日は晴天。窓辺で日向ぼっこをするにはちょうどよい。うとうととしていたそのとき――

 くっせぇぇぇぇ!!!!

 なんだ、このにおい!!!
 なんという悪臭!!!

 私はひげをピンと張り、世話人の様子をうかがう。何か餌場で作っているが、私の食事ではなさそうだ。なんだかどろりとしたもの……あれが悪臭の元か。

「フーッ!!」

 軽く威嚇すると、世話人はなぜか楽しそうに言った。

「湯煎してるから危ないよ。いたずらしないでね?」

 バカもん。誰がいたずらなどするか。悪臭を放つのをやめろと言っているんだ。
 せっかくのお昼寝日和が台無しだっ!!!

 すっかり起こされた私は、不愉快だった。毎朝世話人と私を叩き起こす電子音の機械くらい迷惑な悪臭。
 なんなんだ、あれは。

「ごめんね。これはあげられないの」

 はっ、ごめん被るわ!! そんな臭いもの!!

 私はひょいとタワーに上ると、できるだけにおいをかがないように体を丸めた。
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