本編
文字数 4,995文字
……ちょっと、ちょっとそこのキミ。
すかっ……すかっ……
残念ながら、キミが明日消えてしまうことは決定事項なんだ。
どうあがいたって覆せない。
だからせめて悔いが残らないよう、キミが大切な誰かに最後の気持ちを伝えられるよう、事前に伝えて手紙を書かせてあげようってわけさ。
……おいキミ。
上は上!そこは気にしなくていいの!
とにかく、このままキミが何もせずに消えてしまったら当然ボクの評価は上がらない、それどころかマイナスだよ!
しかもきっと、こっちに来るのに掛かった交通費も出やしない!
赤字だ赤字!
人生というのは往々にして波があると思うんだ。
右肩上がりに進んだり、調子を落として下がったり。
そんな上下が俺にはない。
生き死にだってそうだ。
俺にとっては真っ直ぐな平行線。
だから明日消えると言われても、特に何も感じないんだ。
ぱくり
ごっくん
がくんっ
…………