クリスタル・ワールド

文字数 980文字

海の底にあるワープホール。その向こうには、クリスタルワールドがある。
クリスタルワールドはすべてが宝石になってしまった世界。
ある魔女の禁忌魔法によって、人も、動物も、何もかもが宝石と化してしまった。
宝石化を解くためには、大陸に散らばる二十個の伝説の宝石を集め、古代の魔法使いが使っていた魔法陣の上に十個のエンドバリアを置き、アイスフェアリーが儀式のときに用いる炎の鍵と妖精の粉を振りかけて、宝石魔女の呪文を唱えないといけない。
……あまりに面倒くさいのがわかるだろうか。
そこで神々は会議を開いた。
そこででた結論はこうだ。
『クリスタル・ワールドは永遠に封印する。』
封印は、クリスタル・ワールドのことが書かれた石板や神話、全てにかけられた。
ただ、一つ忘れられていた封印。
それが、海底ワープホール。
神々は高をくくっていたのですよ、いくら人間であろうと、深海の海底ワープホールにまでは行気付かないだろう、と。
それが、今回のことに及んだのですねぇ。
ええ、私たちは、何も。御主人さまの意思に従っただけですから。
え?
ああ……自己紹介を忘れていました。すみませんねぇ……。
私は、伝説の宝石のうちの一つ、マジカル・クリスタルです。
主に誰がこの計画を実施したか?
いやいや、誰かも何も、伝説の宝石のうちの一つ、ディアンド・ダイヤモンドですよ。
誰が計画したか?
伝説の宝石のうちの一つ、パーニンガル・パールです。
……誰が、言ったか?
伝説の宝石のうちの一つ、アニュライト・ルビーとアニュライト・サファイアですよ。
……ふーん。主人は誰か、ですか?
自分で探ってみてくださいよ。おしゃべりの時間は、終わりです。さあ、昼寝の時間ですよ。
もっとも、この昼寝はずっと、眠らせれますよ……。おやすみなさい。
ああ、さっきの質問の答えです。あなたはもう、探ることはできませんからね。
主人は、この私、マジカル・クリスタルですよ。
ああ、そうそう……あの世界は実に居心地がいいです。宝石化が解かれてしまったら困るので、古代の魔術師の魔法陣も、エンドバリアも、妖精の粉も、炎の鍵も、破壊させてもらいました。
もう、二度と私達宝石が支配する世界から出ることはできませんよ。
愚かな人間さん……いいえ、オニキスの玉になった人間さん……いや、オニキス。
この世界では、私の言いなりになってもらいますね。No.110の奴隷宝石……。
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