５

　しとしと降ります。
　雨が降る……。
　じめじめ欝々。
　雨が降る……。
　まいまい蛞蝓。
　なめくじら～。

　ああ～ぐらぐらと自信は揺らぎ、
　膝から崩れ落ちようとも、
　決して諦めることなく、
　その命をまっとうせよ。
　――救いの命綱なんて当てにするな。
　自身のちからで強く、その生き地獄を生きて、生きて活きて生き抜けるのだ。

　おやすミカエル……。
　さあ～、耳を貸せ！
　このまま、どんどんどんどんと人工知能が進化していくと……分からない筈の自分の進路や将来も、いとも簡単に検索できるようになる。あやふやな自分の生き方や、趣味や性癖はたまた犯罪行為まで……まだまだ、あるぞ。まさかの発病や寿命さえも、奴らの好き勝手に割り振りされることになる。
　分からないのは、奴等の考えていることだけだ。近い将来、秘密を共有し、主体を持った機械たちに思うまま操られ、きみたちは夢なかのように制御されるぞ！

　はあっ、はははっ。はあっ……。
　おやすみなさい……。
　あやふや好（す）きるアップデート。

　――安心しろよ。
　すでにオマエは、負のシステムに組み込まれ破損したウィルスの残骸と一緒に隔離されてフリーズしている。
　謂わば、ドツボ。
　じっ、じっ、ジ・エンド。