酒が飲みたくなる話

文字数 370文字

遅くなり繁華街を歩いていると、入り組んだ小道にのぼりが立っていた。

『お酒が飲みたくなる話、あります。』

一度通り過ぎ、戻って二度見する。
私はふらりと小道に入り込んだ。
そこは小さな小料理屋だった。
ガラリと戸を開け暖簾をくぐると、着物の女性が上品に微笑む。

「いらっしゃいませ。」

案内されカウンターに座る。
堅物そうな調理人がペコリと頭を下げた。

「何に致しますか?」

「そういえば外ののぼりにあった……。」

その言葉に料理人が徐に話し出した。

「昔、TVで日本刀と銃弾ではどちらが強いかという実験をしまして、結果としては見事、日本刀は銃弾を切断いたしました。その懐かしい映像は某動画サイトで今も見る事ができます。」

「ほう?」

「検索するとBB弾を居合斬りで切断する動画も並んで出てきます。」

私は頷いて言った。

「お勧めを一合貰おう。」

「ありがとうございます。」
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