その1
文字数 633文字
ノックもせずに扉を開けたのは、幼馴染の結愛。俺、神崎龍弥と北峰結愛は家が隣同士で小さい頃から一緒に遊んでいた。
俺たちの共通の趣味はゲーム。高校生になった今でも、俺の部屋で対戦したり共闘したりしている。
結愛は不満気に頬を膨らませ、すとん、と俺の隣に座る。ベッドを背にもたれかかっていた俺の肩に、サイドで結んだ結愛の髪が触れる。
コントローラーを手にした結愛は、俺の方に向き直り、キッと見上げた。俺は体を起こし、首を屈めて結愛を見た。
〜30分後〜
結愛は顔を真っ赤にして、目にはうっすらと涙を浮かべている。
頭まで毛布をすっぽり被った結愛は、完全に籠城体制だ。
布団から顔を出した結愛の頭上に手を差し出す。