あなた
文字数 456文字
灼熱の炎に焼かれ全てを失ったあなたは、ジタバタすることなくあっさりと自分の人生を放り投げた。この世には未練などといった負の感情が一切存在しないことをあなたは知っていた。
あなたを襲う炎はかなりしつこかった。激しい轟音の中、大蛇のように蜷局を巻いてあなたをいつまでも攻撃し続けた。
しかしあなたは動じなかった。あなたは確固たる意志を持ってそれを受け入れたのである。
そこに恐れなどなにもなかった。むしろ安堵の気持ちさえ感じていた。それはあなたが生まれる前からその瞬間を既に認めていたからだ。
これは儀式なのだ。もう何億年前から続けられてきた神聖なる儀式。ただそれだけのことなのだ。
やがて宵闇が降りてきた。それでもあなたを包み込む大火は容赦することなくあなたを襲い、執拗に攻撃を繰り返した。
あなたはついに果てた。あなたという存在は広大な空間の中に散り散りとなり四散した。
自我を失ったあなたはこの物語の終焉を見てとった。全ては終わったのだ。あなたはそう確信する。
そんなあなたを灼熱の炎はいつまでも犯し続ける。
あなたを襲う炎はかなりしつこかった。激しい轟音の中、大蛇のように蜷局を巻いてあなたをいつまでも攻撃し続けた。
しかしあなたは動じなかった。あなたは確固たる意志を持ってそれを受け入れたのである。
そこに恐れなどなにもなかった。むしろ安堵の気持ちさえ感じていた。それはあなたが生まれる前からその瞬間を既に認めていたからだ。
これは儀式なのだ。もう何億年前から続けられてきた神聖なる儀式。ただそれだけのことなのだ。
やがて宵闇が降りてきた。それでもあなたを包み込む大火は容赦することなくあなたを襲い、執拗に攻撃を繰り返した。
あなたはついに果てた。あなたという存在は広大な空間の中に散り散りとなり四散した。
自我を失ったあなたはこの物語の終焉を見てとった。全ては終わったのだ。あなたはそう確信する。
そんなあなたを灼熱の炎はいつまでも犯し続ける。