第2話

文字数 891文字

 人間、限りがあると思う。
 地球のエネルギーの理屈から考えたら、誰でも限界はあると思う。当然、僕でもある。
 しかし、ここで、考えてみたら、それは、運命だった、なんてこともある。
 …
 10代の僕を思い出したら、それこそ、よく歌ったり、踊ったりしていた。
 しかし、20代でもそうだった。
 だが、唯一、分かっているのは、「オレは、ダンサーになりたい」とか「歌手になりたい」とか「小説家になりたい」は、実は、なかったと思う。
 僕は、勤め人になると、20歳まで信じていた。
 まして、50歳が近くなると、それは、どこかの職場のリーダーになっていると思っていた。
 …
 だが、そんな人生を「寂しい」と言われたのは、気がついたのは、20歳の時だったと思う。きっかけは、中谷彰宏さんのエッセイだったけど、僕は、10代の時、かなり寂しい人生を歩んでいたと思う。
 50歳が近くなると、それは、「遊んでいた彼らが、羨ましかった」と気がつく。
 例えば、僕らの時代でも、バンドブームが、あったけど、それを真似していたクラスメイトが、いた。
 僕は、それを、小ばかにしていたと思うけど、そうではなく、本当は、僕は「そうなりたい」と思った自分もいたと思う。
 反対に、学校時代、バンドマンの真似をしていた彼らは、真面目な大人になったと気がつく。ただ、彼らは、バンドを通して、学んだのだと思う。
 僕には、それがなかった。
 例えば、10代の時、
「ミュージシャンになりたかった」とか「野球選手になりたかった」とか卒業文集に書いている子供は、真っ当だったと今なら思う。
 仮に、ミュージシャンになれなくても、野球選手になれなくても、それなりの人生を歩むことになっていたと思う。
 …
 いや、僕だって、ダンサーの真似事をしていた時期はあった。
 そして、バンドマンを真似した子供と同じように試みはあったけど、僕も、挫折をした。今も思い出したくない時もある。だが、それは、それで、一つの経験をしたと思う。でも、その繰り返しと思う。
 ただ、人間、繰り返ししていくと、何のためにしたいのか、誰に向かってしているのか、って、分かってくると思う。
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