第1話

文字数 896文字

起)世界をつなぐ「門」を越え、20余りの世界を征服し、異世界間帝国を築いた大王が崩御した。「強き者が帝国を継げ。」その遺言をきっかけに、大王の将軍たちが、各世界の諸侯が、独立を目指す者たちが相争う戦乱の時代が始まった。大王の近習の少年バルドーラは父ザンデス総督の任地へ遺言の報告のための旅に出る。途中、50人の山賊に襲われたバルドーラは「門」の管理者リーツァ・ザーンに救われる。リーツァは空間を歪めて世界をつなぐ門を作る術を使う、大王の側近であった。リーツァ曰く、妃マラディーが大王を暗殺し、有力者の子弟を人質に取りすべての世界を支配しようとしている。

承)ザンデス将軍の下にマラディーの使者が着き、「大王の遺言は、帝国の全ては妃に与えることとする。臣下は任地と軍、宝物を妃に明け渡すように。」と伝える。「大王は我らのことを、臣下ではなく友と呼ぶ。」ザンデスはそう言い遺言を疑い、息子バルドーラの帰還を待つ。使者はバルドーラが真実をザンデスに伝えることを恐れ彼の暗殺を謀る。

転)リーツァは弟子の少女ムーンをバルドーラの道案内に付け、「門」を通りザンデスの下に送り届ける。ムーンの助けで暗殺者から逃れたバルドーラはザンデスの下へ着き、事の真相を伝える。激昂した使者がザンデスを殺害しようとするがムーンの空間を歪める力で捕縛した。捕らえた使者から、マラディーによる大王暗殺と有力者の子弟誘拐計画。敵対する者の暗殺といった計画が露見する。

結)ザンデスは諸侯をまとめ上げ、マラディー打倒のために挙兵した、また大王の姪スベル・ゼンキ・エンヴァーダーなどの反マラディー軍が挙兵した。大王軍がマラディー派とスベル派に分かれて戦うが、大王の暗殺が明らかとなったマラディーに味方するものは日に日に減ってゆき、ついにマラディーは逃亡し、その軍は崩壊した。マラディーの半年天下である。ザンデスは功績により二つの世界の管理を任された。20の世界の諸勢力は大帝に即位したスベルを盟主としリーツァが補佐する緩やかな連合体の下でつかの間の平和を得た。バルドーラは父の補佐をし、20余りの世界の平和のために尽力するのであった。

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