プロット

文字数 2,978文字

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【起】
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・渡良瀬 真言(わたらせ まこと)は商店街を疾駆していた。
・耳につけたイヤホンから声が聞こえてくる。「ターゲットは200m先を右に曲がったところにいる」と。
・言う通りの場所に行くと、そこにはでっぷりと太った猫の姿が。
・顔を引っかかれながら、猫を捕まえる真言。

・「事件の概要を聞くだけで、答えがわかる」探偵、夜凪月詠(やなぎつくよみ)。若干14歳で祖父の探偵事務所を引き継いだ彼女は、細々と事務所を開いていた。

・その事務所は地元でちょっとした有名スポットになっていた。簡単なトラブルや事件なら5000円で解決してくれるということで、ちょっとした便利屋のようになっていたのだ。

・猫を連れ帰ると、ふくよかなマダムが「みゃーちゃんザマス!」と喜んでいた。この猫探しも依頼だったのだ。
・上機嫌で帰っていくマダム。

・真言は疲れたと月詠に愚痴るが、月詠は「それが助手の仕事だよ」と笑うだけ。
・真言はそんな月詠に、「従弟だからって理由で手伝わせてるだけじゃないか」と文句を言う。
・そんな真言に月詠は「事務所から叩き出しても良いんだよ?」と言うと、真言は素直に謝罪をする。

・真言は両親を事故で失い、この事務所の上にある住居を借りていたのだった。

・月詠「僕は動くのは苦手だからね。事件を調べて解決までの過程(プロセス)を導くのは君の役目だ」と笑うのだった。

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【承】
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・ある日。真言が学校から事務所に帰ると依頼人の姿が。
・田井村 小唄(たいむら こうた)と名乗る、月詠と同じ中学校の女子生徒は「恋愛相談がある」と依頼をするのだった。
・小唄はあまり学校で絡んだことがない月詠が所長であることに驚きながらも相談内容を話す。

・その相談内容とは「真言通う「逢坂中学」に通う男子生徒、桐生光秀と付き合いたい。紹介してほしい」というもの。
・その依頼を持ってきたのは、「この探偵事務所には逢坂中学の学生が助手として働いているから」という話を聞いたからだった。

・月詠は依頼を受けると、真言に「じゃあ詳しい話を聞いておいてくれ」と部屋に引きこもってしまう。

・真言と小唄は二人で喫茶店に向かうと、そこで依頼内容について確認する。


・事務所に戻ると月詠が出迎えてくれる。
・月詠は自身の能力で「小唄の思いが叶うことはない」と知っていたのだった。
・しかし月詠の能力では「結果」はわかるのだが「なぜそうなったのかの過程がわからない」のだ。

・月詠「もしかしたら、この予測がひっくり返る可能性がある。だから頑張ってくれ」と真言のケツを叩くのだった。
・しかし真言は少し困っていた。真言は両親が事故死したときに自分だけが生き残っていたことから「死神」と揶揄されいじめられていたのだった。
・真言自身はさほど気にしていないが、学校内では孤立していた。
・だから桐生をうまく呼び出せるかが不安だったのだ。


・それから数日間、小唄と会い作戦をつめていった。


・真言は「差出人の書いていないラブレター」で桐生を公園に呼び出すと、小唄を呼び二人を引き合わせた。
・その際桐生からは「死神が僕を呼び出すなんて、何のようだ」と怒っていた。

・桐生はその場から離れ、草陰に隠れながら二人の様子を観察。声は聞こえなかったがどうやら告白したようだ。

・しばらく経つと、なぜか小唄が桐生の頬をビンタして去っていった。
・慌てて追いかける真言。

・話を聞くと、桐生は真言のことを悪くいったらしく、それが小唄は許せなかったらしい。
・「フラれちゃいました。だから、慰めてください」と言う小唄。今度クレープをおごってくれと頼む。
・真言はそれを承諾。2週間後の日曜日、デートをすることに。
・その際、小唄は真言のキーホルダーを奪う。「クレープをおごってくれたら、お返ししますよ♪」と笑顔で言うのだった。


・1週間後。月詠から話があると言われた真言。
・「心して聞いてくれ」と言われ、なんだと考える。その内容は「田井村小唄が、自殺した」というものだった。

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【転】
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・小唄の葬儀に出た帰り道。
・真言は月詠に「俺が依頼する。この事件の犯人を見つけてくれ」と頼んだ。
・「警察の調べでは自殺らしい」と答える月詠だが、真言はそれを信じない。彼女が自殺するわけがないと。

・月詠は「僕も……僕の頭に浮かんだ答えも、そう言ってる。彼女は自殺じゃないとね」と。
・月詠「いいよ。その依頼、請け負った」
・もっとも、犯人はすでにわかっているんだけど、と月詠はとある場所に向かう。


・桐生と話す二人。
・月詠は彼女を殺した犯人が桐生だと、その力で知っていた。
・事件のことを聞くが、桐生は知らぬ存ぜぬの一点張りだった。


・真言と月詠は、続いて小唄のクラスメイトに話を聞くことに。
・聞き込みを続けていくうちに、この1週間小唄がいじめられていたことがわかる。それもかなり苛烈ないじめだった。

・その犯人グループに直接話しを聞く。
・彼女たちは小唄が「ブスのくせに桐生に色目を使ったから、いじめた」と答える
・しかし「殺してはいない」し、「自殺したとしても私達のせいじゃない」と言うばかり。

・真言は怒りに震えたが、月詠に抑えられてなんとかこらえる。


・翌日。真言はそのいじめ主犯格の携帯を盗み、事務所で中身をチェックする。
・そこで犯人につながる手がかりを見つけたのだった。


・桐生と、いじめ主犯格たちを手紙で呼び出す。
・その手紙は「小唄の自殺の真相を知っています」というもの。
・手紙で指定された場所に向かうと、そこで月詠は自らの考えを話す。


・桐生は小唄に告白されたとき、頬を叩かれて怒ったこと。
・それを復讐しようと、女子生徒を焚き付けていじめをさせたこと
・桐生が屋上に呼び出して謝罪を強要した際、謝らない小唄に怒り、真言のキーホルダーを奪って屋上の縁に投げ捨てたこと。

・桐生が帰った後、それを取ろうとした小唄は足を滑らせて転落死したこと。



・それらを話され、桐生は否定する。
・桐生はいじめグループに「お前らがいじめたんだろ!」と話すが、彼女たちは「自殺はさせてない! あたしらは、ノートやぶいたり、水ぶっかけたりしただけ!」と自らの罪を話していく

・桐生も「屋上に呼び出したけど、勝手にあいつが転落しただけだ!」と逆グレ
・月詠はそれらを録音していた。警察に突きつけると脅す。

・桐生はそれを奪おうと、月詠に襲いかかる。
・真言はそれを防ぎ、桐生を返り討ちに。

・真言は事故から生還した後、今度は自分の大切な人を守れるように筋トレをしていたのだった。


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【結】
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・桐生といじめっ子たちは警察や学校、親から色々と注意された。
・直接手を下したわけではないので、それ以上はできないらしい。

・なんとももどかしい気持ちになる真言。

・それでも、真実を明らかにしたのは偉いと褒める月詠。小唄も喜んでいるはずだ、と話す。
・約束の日からだいぶ経ってしまったが、クレープを買ってお墓参りに行こうと思う真言だった。





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