第1話

文字数 444文字

ほんの少しだけ先の未来の話・・・。


今以上にストレスが溜まる社会になり、少子高齢化が進む中、人々の「癒し」はペットへと向かった。


犬は大丈夫だった。


しかし、猫は違う。


人々から「癒し」を求められる程に、彼ら側にストレスが溜まった。


そんな中で現れたのが、モフモフ職人だ。


*********


ボクは緊張していた。


今日、ついに、念願のモフモフ職人さんの元に弟子入りするのだ!


「お願いいたします!」


五十代のごま塩頭のベテラン職人さんが、こちらをチラッと見た。


「おう」


職人さんはタバコらしき物を口にくわえていた。


「モフモフ職人はタバコはNGじゃ・・・」


「ごらあああっ!」


職人さんは怒鳴った。


「よく見ろっ!」


見直すと、それは駄菓子のココア・シガレットだった。


「す、すいません!」


「お前みたいな新入りに、諭される事してる訳ないだろうがっ!」


「すいませんっ!」


イラついている職人さんに、ボクが言った。


「あの、何とお呼びすれば良いでしょうか?」


「あっ、親方だろう、親方!この世界ではっ!」


長い一日になりそうだった。


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