第1話

文字数 1,055文字

今回のNew Mini Album「少年たちの予感」はタイトルにふさわしい、まさしく
「思春期の少年の心を叫び」のような強い感情を感じるような曲がふんだんに詰まったアルバム
だと思いました。
 
彼らの音楽は、ギターのメロディはカッコよく、まるで人が歌っているような存在感があり、バックコーラスやメインのボーカルは「主役」とも言える存在にも関わらずたまに楽器のようにポップでキレのある音で。言葉や感情の主張は強くいつも全力で。

歌の気持ちや表情に合わせての変拍子なんかが若年バンドとは思えないほど巧みで工夫があって、どの曲を聞いても毎回驚きと楽しさで一杯です。
挑戦の連続を思わせる曲作りはアルバムで聞くとより映えて素晴らしいものとなると思います。

曲を聞いていくと、歌声も楽器の音も言葉もいろんなものが全部一緒に複雑に交わって溶けて
一つになることで漸く「素晴らしい音楽」というものは完成するのだとしみじみ感じることができます。
 
NITRODAYというバンドグループは現代のバンド音楽、いや現代人に欠けている「熱量」や「強さ」を持っているグループなのではないでしょうか。「人の心に訴えかける」「人に気持ちを響かせる」それが自然と出来ていて聞く人々を魅了させてしまう。今メジャーで大物になっているような歌手達の若かりし頃を思い出すような普通とは一味も二味も違った若く素晴らしい才能が溢れんばかりといったようで、今後の成長が楽しみで魅力的なグループに感じました。

 今回彼らのこのアルバムを聞いて、私は大人になって長い月日を繰り返した中で何か忘れていた「青く混沌としていたけれど真っ直ぐだった」そんなあの頃の気持ちを胸にじんわりと思い出すことができたように思いました。

「うまくできないスケートボード 乗りこなせない毎日があって
一週遅れスタートを切って 追い越させるのをただ待っているような」
(少年達の予感 「ヘッドセット・キッズ」より)

そんなやるせないけど、頑張って毎日生きていたあの頃。

私の青春がロックバンド全盛期だったからかもしれません。
それでも甘酸っぱい何かを思い出すことができて少し嬉しい気持ちになりました。

今を全力で生きている若者にとってはこの音楽たちは自分たちの代弁者で救いでもあって、かつて若かった人にとっては全力で生きていた「あの頃」にタイムスリップさせてくれる。

そんな気持ちになれる「少年達の予感」はどんな世代にも支持されるアルバムになっていると思います。
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