プロット

文字数 1,092文字

起)
幼い頃に失踪した父が見せてくれた魔法--お風呂のくらげや喋るおもちゃ--が、大人になるにつれトリックだったと分かり始めて、世間を斜に見るようになった小学生の主人公中野怜央(れお)。トリックが分かるほど、「魔法使いじゃなかった」と父に軽い失望を抱きながらも、父の形見であるシャープペンを毎日胸ポケットに入れて大切にしていた。ある時、彼の前に"父の弟子"を名乗る女性教師天野結衣が現れる。そして、魔法界で一緒に"父を探して欲しい"と頼まれる。

承)
放課後になると、怜央と天野は校舎のある教室の扉を開けて、魔法界に通う日々が始まった。"父の遺したメモ"と言われ見せられた「宝物を探し出して守れ」という紙片を、持ち前の斜に見る癖で偽物と見抜いた怜央は、「宝物を探す誰かに父は狙われた」と推測し、その誰かを特定しようと天野と共に魔法界を奔走する。その中で宝物は魔法界を仰天させる様な凄いモノらしいが、その正体は誰も知らないと聞く。同時に、宝物を横取りしようと企む闇の商会"マミー会"は、怜央を宝の在り処を知っている人物と勘違いし、怜央を狙い始める。

転)
一度マミー会に捕まった怜央は、見つけられたら宝物を半分上げる代わりに、闇のルートで"居なくなった日の父に関する情報"を集めるように交渉し、マミー会と協力関係になる。
時遅れて救助に来た天野と合流し、人間界に帰って数日。魔法界に一人で乗り込んだ怜央は、マミー会から当日の父の行動を教えてもらい、父が最後に会った人物は、天野だと教えられる。
「宝物を探し出して守れ」と言うメモの「探し出して」の部分から、犯人は「宝物の在り処を誰も知らない」と断定していることに違和感があった怜央は、父が誰にも宝物の在処を教えていないことを知っている、親しい人物が犯人だと推理して、犯人は天野だと気付く。

結)
学校の屋上に天野を呼び出して推理を伝える怜央。本性を顕した天野は、怜央を殺すため魔法を放つ。「人間界では魔法を使ってはいけない」というルールがあるから、わざわざ人間界で会った怜央は何も対策しておらず、ただ「助けて」と願った。すると、胸のシャープペンから魔法が発動し、怜央を守り、天野を倒すのだった。そのシャープペンこそ宝物の正体で、「魔法使いじゃなくても魔法が使える道具」だった。しかし、シャープペンは二つに割れてしまい、その力を失う。こっそり人間界に来ていたマミー会は、気を失った天野を連れ帰り、報酬として何も意味なさなくなったシャープペンを受け取り帰っていった。
一人残された怜央は、また普通の日常に戻るのだった。父は立派な魔法使いだったという誇らしさだけ残して。
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