第1話

文字数 1,578文字

 シャラリンシャラリ、アマルは、たびのいちざのおどりこです。
アマルがおどるとみているみんなもえがおておどりだす。アマルはいちざのにんきものです。
 アマルはさばくのまんなかのあるくにおうじさまのけっこんしきでおいわいのおどりをおどることになりました。
 いちざがおしろにとうちゃくすると、おしろのひとはみんなくらいかおでためいきをついています。
おめでたいはなしなのになぜかしら?
アマルはふしぎにおもいながらおうじさまをまっていました。
 しばらくすると、おうさまがおうじさまをつれてやってきました。
「おうさま、おうじさま、おめでとうございます」
いちざはふかくおじぎをします。
「それが、すこしもめでたくないのだよ」
おうさまはかなしそうにいいました。おうじさまははらはらとなみだをながしてないています。
「いったいどうしたというのです?」
「あしたがけっこんしきだというのに、とうぞくのかしらがナディアひめをじぶんのはなよめにするのだといって、つれていってしまったのだよ。ひめもさぞこわいおもいをしていることだろう。なんとかひめをたすけることができないだろうか」
おうじさまがいいました。
それはたいへん。アマルもいっしょにかんがえます。
「よいかんがえをおもいつきました!わたしにおまかせください!」
 アマルはさっそくなかまたちとたくさんのおさけをもってとうぞくのすみかへむかいました。
「こんばんは!わたしたちはたびのおどりこいちざです。」
「おう!なんだ、たびのいちざがなんのようだ!」
クマのようなおおおとこがでてきていいました。
 アマルはかしらがあまりにおおきいのでこわくなりましたが、ゆうきをだしていいました。
「おかしらがけっこんするときいておいわいにきました。おいわいのおさけとおどりをうけとってくださいませんか?」
「そうかそれはきのきくことだ」
かしらはきげんよくアマルたちをまねきいれました。
ナディアひめはとなりでカタカタふるえています。
「まずはかんぱいを!」
とうぞくたちはおおよろこび。
「これはよいさけだ!」
と、すぐによっぱらってしまいました。
「では、いわいのまいをおどります」
 ドンタクタクたいこにあわせ、ふえがなりはじめるとアマルがうつくしいおおきなぬのをひらりとつかっておどりはじめました。
いいぞいいぞと、とうぞくたちはアマルたちにまざっておどりはじめました。
いまだ!とアマルはナディアひめをおおきなぬのでくるみます。
そしてそのままアマルたちはさわぎにまぎれてそのばをぬけだしました。
アマルはひめのかおがわからないようにマントをかぶせ、いそいででぐちにむかいました。
「ちょっとまて!」
みはりがこえをかけました。
ここでひめをさらったことがわかればつれもどされます。アマルはドキドキしながらたちどまりました。
「わたしたちはおかしらのおいわいでおどりをおどったのですが、みんなよっぱらってしまったのでごあいさつをしてつぎのまちにむかうことにしたのです。みはりのかたもおいわいのおさけをどうぞ」
アマルはのこりのおさけをわたします。
すっかりきをよくしたみはりはみんなをそとにだしました。
 ここからはひとときもやすまずおしろにむかいます。
おひさまがのぼるころ、ようやくおしろにとうちゃくしました。
 しんぱいでよるもねむれなかったおうさまとおうじさまはそとでみんなのかえりをいまかいまかとまっていました。
ナディアひめのげんきなすがたをみつけるとふたりはなみだをながしておおよろこびです。
そしてそのまま、せいだいなけっこんしきがおこなわれることになりました。
 もちろん、アマルはそのけっこんしきでほんとうのおいわいのおどりをおどります。
ドンタクタクとタイコのおとにふえのおとシャラリンシャラリアマルのおどりでみんなにこにこてをたたき、しあわせなうたげはあさまでつづきました。
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