第1話 サーカスの動物たち
文字数 897文字
ある町にサーカスがやって来ました。
サーカスには、たくさんの人間とライオン、鳥、トラ、キリンやゾウがいました。
毎日、たくさんのこどもたちや大人で賑わっていました。
町へ着くと、人間たちはテントを張り、ピエロは一輪車に乗って、公園をくるくる回りながら、サーカスがやってきたことを知らせるのでした。
そして、しばらくするとまた、よその町へ移動していきました。
ある日、人間はテントをたたみ、動物たちをオリに入れて、たくさんの荷物をトラックへ積み、遠くの町へ出発しました。
せまいオリの中でガタガタと揺られながら、トラはライオンへ訊ねました。
「私たちはどこへいくのか。」
ライオンは、大きな頭を振って、「わからない」と応えると、むっくりと起き上がって、大きなあくびをしました。
ライオンの頭の上で寝ていた鳥が驚いて、バサバサと飛び回り、周りに羽を落としました。
どれほど乗っているのか、長い時間がすぎると、トラックはゆっくりとカーブし、どこかの町に停まりました。
しばらくして、トラックの幌がめくられると、それぞれのオリの中へ食事が置かれました。
ライオンとトラは食事にありつき、鳥は翼を休め、キリンはのびをして首をのばし、ゾウは長い鼻で水を飲みました。
外は真っ暗で、遠くに人間の家々の灯りや道路のライトがところどころに光っていました。
人間たちは、レストランへ出かけて行きました。
キリンは云いました。
「私たちは、どこから来てどこへいくのだろう。」
すると、ゾウが応えました。
「私たちは、どこへ行っても一緒だよ。」
ライオンとトラは、キリンとゾウが話しているのを聴いていました。
トラックの幌が風で揺れ、ライオンは鬣をなびかせながら、空を見上げました。
月が綺麗に光っています。
ライオンは、ふと思いました。
『オリを出て、どこまでもかけていけたらなあ。』
ライオンがトラックの荷台に敷かれたベニヤ板をガリガリと引っ掻いていると、車のエンジンの音が聞こえてきました。
ライオンの見つめていた月は、幌で隠され、トラックはまた闇の中を走り出しました。
どこまでも走りつづけます。
ゆらゆらと揺られているうちに、ライオンはねむりました。
サーカスには、たくさんの人間とライオン、鳥、トラ、キリンやゾウがいました。
毎日、たくさんのこどもたちや大人で賑わっていました。
町へ着くと、人間たちはテントを張り、ピエロは一輪車に乗って、公園をくるくる回りながら、サーカスがやってきたことを知らせるのでした。
そして、しばらくするとまた、よその町へ移動していきました。
ある日、人間はテントをたたみ、動物たちをオリに入れて、たくさんの荷物をトラックへ積み、遠くの町へ出発しました。
せまいオリの中でガタガタと揺られながら、トラはライオンへ訊ねました。
「私たちはどこへいくのか。」
ライオンは、大きな頭を振って、「わからない」と応えると、むっくりと起き上がって、大きなあくびをしました。
ライオンの頭の上で寝ていた鳥が驚いて、バサバサと飛び回り、周りに羽を落としました。
どれほど乗っているのか、長い時間がすぎると、トラックはゆっくりとカーブし、どこかの町に停まりました。
しばらくして、トラックの幌がめくられると、それぞれのオリの中へ食事が置かれました。
ライオンとトラは食事にありつき、鳥は翼を休め、キリンはのびをして首をのばし、ゾウは長い鼻で水を飲みました。
外は真っ暗で、遠くに人間の家々の灯りや道路のライトがところどころに光っていました。
人間たちは、レストランへ出かけて行きました。
キリンは云いました。
「私たちは、どこから来てどこへいくのだろう。」
すると、ゾウが応えました。
「私たちは、どこへ行っても一緒だよ。」
ライオンとトラは、キリンとゾウが話しているのを聴いていました。
トラックの幌が風で揺れ、ライオンは鬣をなびかせながら、空を見上げました。
月が綺麗に光っています。
ライオンは、ふと思いました。
『オリを出て、どこまでもかけていけたらなあ。』
ライオンがトラックの荷台に敷かれたベニヤ板をガリガリと引っ掻いていると、車のエンジンの音が聞こえてきました。
ライオンの見つめていた月は、幌で隠され、トラックはまた闇の中を走り出しました。
どこまでも走りつづけます。
ゆらゆらと揺られているうちに、ライオンはねむりました。
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