俺たちゃ今も生き続ける

起) 私立高島中学に通う中学二年生の清島将馬は、いつも不機嫌で、どこかガラの悪い青年だった。彼は毎日将来への不安を感じており、自分はどうすればいいのかという疑問を抱きながら生活していた。

承) 学校に行けばいつものように授業を受け、勉強、そして帰宅。なんとも言えない毎日の繰り返しの中で、清島の不安は日に日に酷くなっていく。(夢の無い自分は、どうすればこの不安から逃れられる？) そんなことを考え続けながらも、結局何も分からない日々が続いた。

転) それでも絶対に変わらないといけない。そう確信したある日、彼は少しだけでも自分の目指したい世界を探そうとして、数少ない友人の夢を聞き、かつて両親の目指した夢を知り、そこから自分はどう生きていくべきか、その方法を模索し始めた。

結) しかし、結局のところ、不安の全てを拭えた訳では無かった。まだ漠然とした不安が残り、生きていくという辛さと虚しさは果てしの無いものなのだと清島は理解しつつも、今を生きなければ、本当の夢を掴むことはできないと確信したのだった。そしてそれが、何よりも大事で、何よりも素晴らしいことなのだと……｢面倒くせぇが、そっちの方が生きてるって実感がするんだろうよ｣