第1話

文字数 397文字

呼吸が荒い。苦しい。どうしてこんなに苦しい思いをしなければならのか。液体の中、しかも粘土の高い液体が身にまとわりついてるような感覚。今日もまた生きてる事実を受け入れたくない自分がいる。死にたいと思う気持ちと相反するように体はそう簡単に壊れてくれない。窓の外から歩く人を眺める。
「不思議だなぁ・・・」とぼやく。
どうして毎日、平気な顔して社会で生きていけるのだろうか。こんなくだらないことを思ってる今の自分はきっと間抜けな顔をしているだろう。
「あっ・・・」目が合ってしまった。
あの人からしたらこんな昼間にカーテンを閉め切った部屋から顔をのぞかせる私のことが不思議に見えているであろう。そんなことを思いながらまたイヤホンをして眠ろうとする。眠れるわけがないのに。どうしてそんなみんなに頑張れるんだ。どうして。だってこの世界は五分前に神様の気まぐれで作られただけの小さなアリの巣のようなものなのだから。
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