第１話『Ｋ．Ｔ』

【アーティスト名】
『K.T』

大手芸能事務所、右廻（みぎまわり）芸能で売り出し中の男性アイドルグループ。メンバーがそれぞれ自分の個性を活かせる場所で活動を展開することで幅広い年齢層に受け、特に10〜20代の女性を中心に、全国的に絶大な人気を誇る。

【メンバー】
堂々道　李莉緒（どうどうじ　りりお）
〈ドーリー〉
「てめえら、ライブ中ボーッと突っ立ってやがったら、承知しねえぞ！」
メンバーカラー:赤
　熱血過激なリーダー。情に厚くメンバー想い。勘違いされやすい性格。

蒼鏡　竜太（あおかがみ　りゅうた）
〈ミラリュウ〉
「それはりりおが決めることです。少し、黙っていただけますか？」
メンバーカラー:青
冷静沈着なサブリーダー。常に周りを見ている。事務所の経営陣とも対等に渡り合う切れ者。

黄金望　恵蘭（こがねもち　けいら）
〈ケイラ〉
「ライブは楽しいし！　ケータリングは美味いし！　俺、この仕事できてほんとラッキーだよー！」
メンバーカラー:黄
　純粋腕白なムードメーカー。明るい性格でマネージャーと一番仲が良い。外仕事への露出は一番。

紫苑印　式文（しえんいん　しきべ）
〈ブンブン〉
「夢か、現か……アイドルって、なんなんだろ」
メンバーカラー:紫
　曖昧模糊なミステリアス。口数は少ないが異様な存在感で、謎の多い男。時々ブログで意味深なことを呟いて、ファンをヤキモキさせる。

変頼人　染丸（かわらいと　そうま）
〈ソメマル〉
「人生嫌なことのひとつやふたつ、あって当たり前──けどなあ、そんなもん、俺らのライブで吹っ飛ばせ！」
メンバーカラー:黒
　初志貫徹のエース。名実共に一番人気で、"ネガティヴだけどポジティブ＝ネガポジ"なMCが名物。アイドルになる前はネットで動画投稿をしていた経緯もあり、それがゆえかファン心理をよく理解している。

【代表楽曲】

『She cret』
　李莉緒が初主演を務めたテレビドラマ「密はダメです秘密の彼女」の主題歌。アイドルとしてのドリーとは正反対な、甘くて駄目な男を演じたこのドラマの大ヒットが、K.Tを一躍全国区に押し上げる結果に。歌詞の内容は、李莉緒演じる主人公の心情を表す

『逝けませんか？』
　竜太が作詞を務めた、男の女の一夜を歌い上げるちょっと過激な曲。ミラリュウ推しのファンからは彼の意外な一面に「こんな歌詞書けるなんて、もしかして……幻滅した」との声も。人気芸人がMCを務める深夜番組のコーナー曲にも使われ、アイドルに詳しくない層の認知を得るきっかけにも。

『絢爛豪華？　NONO! ケイラ、豪快！』
　K.T５人の冠番組内の人気コーナー「作ってガッテン！」でケイラが作詞に挑戦して生まれた曲。タイトルは子供アニメの主題歌のようだが、内容は若き少年の悲恋を切実に歌い上げたものとなっており、意外と繊細な彼の一面を覗かせた。広い認知度はないがケイラ推しからは絶大な人気。

『烟』
式文のソロ曲。「火のないところに煙は立たず」がどうやらコンセプトワードらしいが、歌詞の内容はよくわからない。一部からは絶大な人気を誇る。マイナー曲のはずが、なぜか毎回代表項目に上がっている。

『染まってK.T！』
言わずと知れた有名曲。K.Tの代名詞。ソメマルがセンターを務める。国民的歌番組に初出場したのも、この楽曲だった。

【エピソード】
李莉緒と竜太は幼馴染み。もう一人仲の良かった幼馴染みは、シンガーソングライターとして活動している。
恵蘭にはヤンキーの従兄弟がいる。
式文の家系は極道との繋がりがある、と噂しれているが、実際のところはよくわからない。しかし、火のないところに煙は……？
ソメマルはこのフェスの後からほどなくして、芸能雑誌にスキャンダルを取り上げられ事務所を解雇。表舞台から姿を消す。

【グッズ】
「四色ペンライト」
　赤、青、黄、紫の四色に点灯するペンライト。ソメマル推しは無点灯。黒だけ除け者、ということで人気メンへの嫉妬、いじめか？　と噂がささやかれたが、これはイタズラ好きなソメマル本人の発案らしい。

「メンバーウチワ」
　メンバーの顔がプリントされたウチワ。初めはファンが自作して持ってきていたが、竜太の提案でK.T側から公式のグッズとして展開することに。

「ケイラ作レトルトカレー」
　黄金望家の家庭の味を再現したレトルトカレー。なんでライブでレトルトカレー？　と初めてライブに来た客はびっくりするが、食べると超美味い。売れ行きがいちばん高い、大人気商品。パッケージはケイラ作のおばあちゃんの似顔絵。