序の(1)

文字数 307文字

 内陸部の天気は乱れ、海だけが晴れ上がっていた。
 天使舞う海岸に上陸用舟艇が次々やってきて、小さな漁師町の人々を皆殺しにする勢いで銃器を乱射した。

 わたしたちがイケなかったのだ。男たちに呪いをかけて追い払い飢え死ぬにまかせたのだから。別の土地の男たちが怒って、復讐戦をしかけてきたのだ。
 太陽系外惑星、そして神々の力が加わった軍勢の、これは最初の小手先の出来事にすぎない。
 そんな予感のうちにも、妊婦はすべて殺戮されつつあった。病院は迫撃砲、天使のレーザービームによって消滅した。時間はない。
 なぐられてもなぐられても立ち上がる老婆が杖で兵のヘルメットを叩きつけたが、力が入らず、兵はなにも感じずに彼女を破壊した。
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