第2話
文字数 230文字
「俺には戦いの才能がない」
「眠い」
「喉が渇いた」
「腹が減った」
「体調が悪い」
「余興がやりたい」
「本業が忙しい」
「創作の神が降りてこない」
「おれはこの戦地に向いてない」
「俺よりも活躍する奴が妬ましい」
「読者の反応/無反応が怖い」
理由が理解できた。私も誘惑に身を委ね、何度戦場を離れたいと思ったことか。
私が戦っている相手――読者は不思議な存在だった。
敵のようであり、味方でもある。優しく手を握ってくれる時もあれば、とつぜん牙をむき出しにして襲われたりもする。
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