第1話
文字数 1,585文字
むかし、ながいことかいじゅうのいたずらにこまっているくにがありました。あめのようにいしをおとされたり、たいようをかくされてしまったり、ひをふいたり、やりたいほうだいやっているかいじゅうに、だれもてがつけられませんでした。
あるひ、くにのおうさまはかんがえました。
「くにじゅうのかしこくゆうきあるものをあつめて、かいじゅうをたいじさせよう。」
おうさまのよびかけにたくさんのおとこのこがあつまりました。
そのなかでひとりだけおんなのこがいました。
なまえはアイコといいます。
アイコはせいぎかんがつよく、かいじゅうも、くらやみも、ひも、こわくなんかありませんでした。
アイコはおとこのこたちといっしょにかいじゅうをたおしにいきました。
すると、そらからいしがばらばらとおちてきて、みんなやねのしたからでることができなくなりました。しかし、アイコはこんなこともあろうかと、てつのかさをもっていました。いっしょにはいりたいといったおとこのこ3にんとてつのかさをさし、いしがふるみちをずんずんすすんでいきました。
もりのなかにはいったとき、あたりがすっとくらくなりました。まだおひるだったので、すぐかいじゅうのしわざだとわかりました。アイコたちはあたりがみえず、まえにすすめません。
それでも、アイコはあきらめず、いっしょうけんめいみわたしました。すると、みえたものがありました。
「みんな、あのほっきょくせいのほうこうにすすもう。」
アイコはそういって、ゆっくり、いっぽずつ、ほしをたよりにすすんでいきました。
いしをふらせても、たいようをかくしても、にげずにむかってくるアイコたちに、かいじゅうはくやしくなりました。
アイコたちがやっとこもりをぬけたとき、かいじゅうがアイコたちのまえにあらわれ、おおきなひをふきました。アイコたちはとっさにてつのかさにみをかくしました。そして、アイコはおとこのこたちにあるひさくをはなしました。
アイコのさくせんどおり、アイコとおとこのこたちははしりだしました。
かいじゅうは、にげるアイコたちにおもいっきりひをふきました。するとどうでしょう。ふいたひがじぶんじしんのほうに、もどってくるじゃありませんか。アイコたちはかざかみにひなんしたため、かぜがかいじゅうのはいたひを、おしもどしたのです。
かいじゅうがじぶんのひにおどろいているあいだに、アイコはすかさずたちむかい、つるぎをかいじゅうのあしにさしました。
「ぎゃあ!」
かいじゅうはひめいをあげて、たちまちにげていきました。
アイコたちがくににかえると、たくさんのひとにしゅくふくされました。
おうさまはアイコこそが、かしこくゆうきあるものだとたたえました。
「きみはまさにゆうしゃだ!おんなのこなのにすばらしい!」
ほかのおとこのこたちもくにのひとびとも、アイコをほめました。
「きみはおとこのこのようにゆうかんなおんなのこだね。」
「こんなおんなのこみたことない!」
アイコはみんなからほめられうれしいはずなのに、なぜかあまりうれしくありませんでした。
いえにかえるとおかあさん、おとうさんがかけよって、だきしめてくれました。
かなしいかおをしているアイコに、おかあさんがたずねました。
「どうしたの?アイコ。うれしくないの?みんなにほめられたでしょう?」
「うん。でも、みんながほめてくれるのは、わたしがおんなのこだから?」
「それはちがうよ。アイコ。」
おとうさんがやさしくいいました。
「アイコがかしこくゆうかんに、かいじゅうにたちむかったからだよ。」
「そうよ。アイコはアイコらしくいればいいのよ。」
ときがたって、くにのひろばにはひとつのぞうをたてることになりました。それは「ゆうしゃおんなのこのぞう」ではなく、「ゆうしゃアイコのぞう」として、すえながくくにのひとにたいせつにされました。
あるひ、くにのおうさまはかんがえました。
「くにじゅうのかしこくゆうきあるものをあつめて、かいじゅうをたいじさせよう。」
おうさまのよびかけにたくさんのおとこのこがあつまりました。
そのなかでひとりだけおんなのこがいました。
なまえはアイコといいます。
アイコはせいぎかんがつよく、かいじゅうも、くらやみも、ひも、こわくなんかありませんでした。
アイコはおとこのこたちといっしょにかいじゅうをたおしにいきました。
すると、そらからいしがばらばらとおちてきて、みんなやねのしたからでることができなくなりました。しかし、アイコはこんなこともあろうかと、てつのかさをもっていました。いっしょにはいりたいといったおとこのこ3にんとてつのかさをさし、いしがふるみちをずんずんすすんでいきました。
もりのなかにはいったとき、あたりがすっとくらくなりました。まだおひるだったので、すぐかいじゅうのしわざだとわかりました。アイコたちはあたりがみえず、まえにすすめません。
それでも、アイコはあきらめず、いっしょうけんめいみわたしました。すると、みえたものがありました。
「みんな、あのほっきょくせいのほうこうにすすもう。」
アイコはそういって、ゆっくり、いっぽずつ、ほしをたよりにすすんでいきました。
いしをふらせても、たいようをかくしても、にげずにむかってくるアイコたちに、かいじゅうはくやしくなりました。
アイコたちがやっとこもりをぬけたとき、かいじゅうがアイコたちのまえにあらわれ、おおきなひをふきました。アイコたちはとっさにてつのかさにみをかくしました。そして、アイコはおとこのこたちにあるひさくをはなしました。
アイコのさくせんどおり、アイコとおとこのこたちははしりだしました。
かいじゅうは、にげるアイコたちにおもいっきりひをふきました。するとどうでしょう。ふいたひがじぶんじしんのほうに、もどってくるじゃありませんか。アイコたちはかざかみにひなんしたため、かぜがかいじゅうのはいたひを、おしもどしたのです。
かいじゅうがじぶんのひにおどろいているあいだに、アイコはすかさずたちむかい、つるぎをかいじゅうのあしにさしました。
「ぎゃあ!」
かいじゅうはひめいをあげて、たちまちにげていきました。
アイコたちがくににかえると、たくさんのひとにしゅくふくされました。
おうさまはアイコこそが、かしこくゆうきあるものだとたたえました。
「きみはまさにゆうしゃだ!おんなのこなのにすばらしい!」
ほかのおとこのこたちもくにのひとびとも、アイコをほめました。
「きみはおとこのこのようにゆうかんなおんなのこだね。」
「こんなおんなのこみたことない!」
アイコはみんなからほめられうれしいはずなのに、なぜかあまりうれしくありませんでした。
いえにかえるとおかあさん、おとうさんがかけよって、だきしめてくれました。
かなしいかおをしているアイコに、おかあさんがたずねました。
「どうしたの?アイコ。うれしくないの?みんなにほめられたでしょう?」
「うん。でも、みんながほめてくれるのは、わたしがおんなのこだから?」
「それはちがうよ。アイコ。」
おとうさんがやさしくいいました。
「アイコがかしこくゆうかんに、かいじゅうにたちむかったからだよ。」
「そうよ。アイコはアイコらしくいればいいのよ。」
ときがたって、くにのひろばにはひとつのぞうをたてることになりました。それは「ゆうしゃおんなのこのぞう」ではなく、「ゆうしゃアイコのぞう」として、すえながくくにのひとにたいせつにされました。