20話 東野万理案件、調査日三日目①

文字数 2,527文字



 6時 

 暁美は、アラームをかけていなかったけど、起きる。隣のベッドをみると昨日と同じようなイビキをかきながら法明寺は眠っている。 
2017/06/07 12:27
(壮絶な調査結果だった・・・)
2017/06/07 12:28
暁美は起き上がり、支度を始める。支度が終わるタイミングにあわせて法明寺を起こし始める。
2017/06/07 12:28

法明寺さん、法明寺さん
2017/06/07 12:29


 ゆさゆさ法明寺を揺らす。
2017/06/07 12:29
ぐがぁぁぁ、ぐ、ぐがぁぁ、あ!!
2017/06/07 12:30


 パチッと目を開ける法明寺。ここ何日も同じシュチュエーションだと最早ルーチンワークである。
2017/06/07 12:30


お、おう、おはよーさん
2017/06/07 12:30


おはようございます。相変わらずの安定の酒臭さですね。結構飲んだんですか?
2017/06/07 12:30


あー、まーミッションコンプリート後は少しだけ呑んじゃうよな
2017/06/07 12:30


昨日は、遠征地だとハメ外しちゃうとか言ってましたけど、結局呑みたいだけで、その口実を適当につけているだけなんじゃないですか?
2017/06/07 12:31
・・・さすがだな、嬢ちゃん
2017/06/07 17:29
なんだかんだこの調査遠征に限らず会ってる回数より少し少ないくらいでほとんど起こしてますからね
2017/06/07 17:30
そうだな
2017/06/07 17:30
 ムクッと起き上がり、ベッドから足を出す法明寺。
2017/06/07 17:31
あ、また、パンツいっちょ
2017/06/07 17:31
おーすまん。バスローブ着てたんだと思うんだが、はだけてしまったようだが、もういい加減ギャーギャー言わなくなったな
2017/06/07 17:31
 悪びれも無くユニットバスに向かう法明寺。

 そしてそんな法明寺に対してツッコミをしなくなってしまった暁美。慣れとは恐ろしい。

 こちらもいつものルーチンで15分で準備を終わらす法明寺。相変わらず暁美の前でパスタオル一枚でシャワーから上がってきたりとデリカシーのない行動をする法明寺に、もちろんツッコむことをせず景色として扱っている暁美。
2017/06/07 17:31
よし、いくぞ
2017/06/07 17:32
 声がかかった瞬間に景色から焦点をあわせると、前日に続きその辺にいる社会人っぽいかっこいい姿の法明寺が現れる。
2017/06/07 17:32


はー
2017/06/08 12:13


何ため息ついてるんだ?
2017/06/08 12:14


いや、だって明らかにおかしいシュチュエーションに慣れてしまっている私がいるんですよ。

その自分がすこし嫌になって
2017/06/08 12:14


何わけのわからんことを言ってんだ。

今からカメラ設置してくるから対象者が部屋を出るまではここで待機だ。

俺は引き続きイヤホン聞きながら部屋を出るタイミングを見計らっとく
2017/06/08 12:15


 法名寺は小さい手提げ鞄を持ち、部屋の外に出る。暁美は気になったので外に出た法明寺についていく。
2017/06/08 12:16


あ、なるほど
2017/06/08 12:16


 法明寺背中から顔を出すような形で少し覗き込む。

 小さい手提げカバンの中には小さいビデオカメラが入っていた。

 そのカバンを外の扉のノブに引っ掛けそこカバンの一部に小さい穴が開いてカメラが覗けるようになっている。
2017/06/08 12:16


嬢ちゃん、全部好奇心いっぱいだな。中、戻るぞ
2017/06/08 12:16


はーい
2017/06/08 12:17
 11時

 対象者と女性が部屋を出るのを、ビジオカメラの画像を遠隔モニターで確認する。
2017/06/08 20:55
よし、5分くらいしたら俺らも出るぞ
2017/06/08 20:56
了解しました
2017/06/08 20:56
 すでに準備を終わらせていたので、5分後そのまますぐ法明寺も暁美も部屋を出る。
 カメラの入った手提げカバンを回収し5010号室の部屋の扉の軸側の扉と地面の間に仕込ませておいた薄い延べ棒盗聴機も回収しエレベーターを降りロビーに出る。
 ちょうど二人は受付でチェックアウトらしきやりとりをしている。
2017/06/08 20:56
筧、俺はロビーで待機しているからお前が会計済ませてこい。

俺は対象者の移動が始まったら尾行を優先する。

会計後姿を見失ったら電話で連絡な。

イヤホンマイクしておくから電話鳴り次第その状態でやりとりできるように
2017/06/08 20:57
わかりました
2017/06/08 20:58
 法明寺の指示通り、受付にいってカードキーを渡しチェックアウトを伝えて精算。

 時間差は悪くなく精算終わってロビーを振り返ってもまだ法明寺はソファに座っている。

 暁美と目が合い次第顔を少し傾ける。

 そちらのほうに移動しながら合流するぞ。という意味なのだと察して暁美もホテルの出口に向かって歩き始めるとその先には対象者と女性がいる。
 
 ホテルを出た二人は近くのテラスもあるカフェレストランに入るのを見届け法明寺と暁美は入り口の視線の直線上でないビルのエントランス付近で張り込みする。
2017/06/08 20:58

 13時

 二人がレストランを出てその場で分かれる。 
2017/06/09 18:08
俺は女性側を追っていくから嬢ちゃんは対象者を追ってくれ
2017/06/09 18:09


え??いきなりピンプレーですか?
2017/06/09 18:10


ここ2日で嫌ってほど張り込みしたから大丈夫だろ?
2017/06/09 18:10


大丈夫だろ?って大丈夫ですかね〜?
2017/06/09 18:11


心配そうにテンパる暁美
2017/06/09 18:11


仮に対象者にいいがかりつけられたらこの人痴漢です。助けてくださいとか叫べば大丈夫だ。

もう抑えてるところ抑えいてるし気軽に行ってこい
2017/06/09 18:11


が、がんばります
2017/06/09 18:14
のちほど事務所でな。対象者の尾行終わったら事務所に向かってくれ
2017/06/09 18:14


了解です
2017/06/09 18:15


 対象者を新宿駅から追う。
 対象者の視線の直線上、視角に入らないように距離は気持ち見失わないように10mくらいで尾行していく。

 ひとりでもやってみると意外に慣れたもんで、対象者が無事に依頼人の家に戻るのを確認した。
2017/06/10 13:00


ふー、尾行完了
2017/06/10 13:01


《尾行完了しましたよ。無事。というのが正しいかわかりませんが、無事家に戻りました。私は今から事務所に向かいますね》



 特に法明寺からのラインの返答はない。

 まだ調査中なのかな?などと思いながら、これにて人生初めての調査活動の終了に達成感と結局不倫をしていた対象者への嫌悪感と依頼人へのこれからその事実を伝えなくていけないと思うと少し切ない気持ちとが入り混じり、すこし睡魔に襲われながらも電車に揺られて法明寺事務所に向かう。
2017/06/10 13:02
(そういえば、法明寺さんの事務所の鍵持ってない・・・)
2017/06/10 13:02


もしやもしやなんて思いながら、暁美は法明寺事務所まで行き着き恐る恐る玄関を開けて見てると・・・・・・、開く。
2017/06/10 13:03
(あのおじさんはもう、本当に不用心極まりない)
2017/06/10 13:03


 玄関を開けて、廊下を歩き部屋の扉を開けると、まだ数回しか来ていないはずなのに、どこか落ち着きを感じさせてくれるいつもの事務所スペースにたどり着く。
2017/06/10 13:03


あー、づがれたー
2017/06/10 13:04


 暁美はソファに飛び込むように寝転がる。

 時計をみるともう15時半。

 なんだかんだ今日もあっというまに終わりそうだなー。なんて思いながら、瞼が落ちたり落ちなかったりを繰り返し、睡魔に完全に負けてしまう。
2017/06/10 13:04
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登場人物紹介

筧暁美(かけいあけみ)
16歳
探偵に憧れる女子高生。法明寺探偵事務所に押しかけ応募。
愛嬌がある。頑固。すこしかまってちゃん。

法明寺五郎(ほうみょうじごろう)
36歳
法明寺探偵事務所を個人経営している探偵。
めんどくさがりや。根っこは熱い。仕事は丁寧。どこかで探偵に対しての虚無感がある。
人を少しだけ小馬鹿にする傾向があるが、認めると小馬鹿にしなくなる。

大盗奈々(だいとうなな)
26歳
メカ女。法明寺のパートナー。いつも作業着。甘えん坊。かわいい子大好き。

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