第1話

文字数 2,487文字



「あ」のおかんはいい人だ。しかし、熱心な学会信者だ。
そうよ、一度夜8時ごろ団地のあそこ行ってピンポ~ンって押したら、
ドアを押すようにからりっとあけて「あ」が出てきた。
でも何も言わない。仕方ねえから俺様が「あ、おかあさんおられます?」
ところが何も言わずに引っ込んだ。後ろでひそひそ話してる感じもなかった。
2分くらいしてお母さん出てきたよ。さっきの女とうってかわって愛想めっちゃいい。
「いつもご苦労様ですねえ。」
その数日後K山が登校してると、「あ」と同じバスケのH田とかが彼に気づいて
いきなり「あっちゃんのとこにねえ・・・・」て話しだしたそうだ。
だって彼は同じバンドだったからね。
また彼は「高校の中央廊下を「あ」ちゃんが腕振り上げて歩いてたぞ。」と言って笑ってた。
でもな、おかあさんが背筋を曲げて歩くようになって、背が丸くなって背が小さくなったんだ、って
元団地の人が言ってたよ。だから「あ」ちゃんもっそうならないように腕を振り上げてたんだ。


おいらが団地の新聞配達で「あ」とすれ違ったりするようになって、
それをおいらのボーカルの師匠で元GSのやはり学会の人が
「おまえそれ縁やぞ。付き合え、(と言うより学会に入れ)」てしつこく言いだした。
しかし、おいらは、頑固だから、女一匹擦れ違ったぐらいで惚れるかぇ!て大断りさ。
その人は軽自動車乗ってたんだが西宮港の「○上○船」って看板のとこから、船着き場へと
車を進めた。すると丁度「あ」のお父さんが船で帰ってきたところで、お客さん降ろしてた。
夜9じごろかな???
このお父さんは学会じゃないんだよな。「あ」の妹だって違う人の方が多かったはず。
あそこは5人姉妹で女ばっかりだ。
あ、そーか、ともかのとこもそうなるよな。
「あ」とは一度も面と向かって喋ってない。だって喋ることないじゃん。
でも曲は沢山書いた。3曲だ。
「恋の夢」→これ名曲だった、せんまんるんこ~いのゆめにー(^^♪
「長い日々のあとに」→シラケた町のハイウェイ、誰もが眠るミッドナイト
「団地のあの子」→これは他のメンバーが却下し、没に


それからそこの新聞やめて結局団地とは無縁になった。
それから1年半くらいでおいらは神戸の女子大に通うお嬢様と付き合いだした。
その人は1つ上で長身ではなかった。
それで二人で駅の周りを歩いたりしてると「あ」が女2人でニコニコしながらこっちを見てたよ。
これって、おい、「あー、三吉は私のとこに来なくてよかったなあ。」って意味か?
それからどうしたかなあ??
86年頃うどん屋でバイトしてて、団地の辺りに差し掛かると「あ」が自転車で通ってた。
「おい、ねえちゃん」てふざけて言ったが、さほど気にもかけてなかった。
ただ、気のせいか知らんが、172あった人が何となく背が少し低く見えた。


もう関わることは無いだろうと思ってた。
それがともかと会社勤めてる頃にだ!
おいらの留守中、つまり勤務中に何と「あ」のおかあさんが来て、おふくろに話をしに来たのだ。
多分学会の話だったんだろうな。
俺様はその頃はもうそろそろともかと喧嘩するかって頃だからすごく神経質になった。
だって、かつて新聞取ってもらったり色々世話になった人だから
本人に「もう、来んとってもらえますか?」とは言えない。どーしよー???
そーだー!!「あ」に当てこすりしてお母さんに身を引いてもらおう!!!
そこでついに俺は「あ」と電話で普通に会話した。
でも年も30近かったし、喋ったら昔と大違いで
別に不愛想でもなかった。まあ普通だ。
「あ」さん、僕はねお母さんではなくあなたに創価学会の信義を教えて頂きたいんですよ!」
って言ったら
「はーーー」とため息ついた。そして、「じゃあ、日程とか調整して見ます」
と言って電話切った。
しかし、それが功を制して、「あ」ちゃんのお母さんは二度とこなかった。
こういういきさつからすると、91年末の北口宴会で「M上さぁ~ん」ともか「呼んでるよー」
というのは満更大嘘でもなかったって事だ。
それから会社辞めて、1年後に自転車で阪神の何とか川駅の辺りをぶらぶらとしてたら
右の方から「あ」が友達ときた。よく考えたらこの女は一人で行動しないな。
そこがともかと違う!そして、「あ、三吉君や」とか言ってるんだよ。
でも俺、全然喋らなかったな。そしてやはり背が縮んでるようにも見えた、お母さんの影響かな?
それが1993年だ。それから一度も会ってなAい。
でもね、元々「あ」は昔居て、小6年でシドニーに転向してしまったN川に似てたんだ。
Nはフルの電気の社長宅の前にA山のいえがあって、そこをずんずん上がって行って左手に家があったんだ。
「あ」はその子に似てたんだよ。
でも彼女「あ」を知ったのは卒業式の10日前だ。
グランドの左にジャングルジムあったろ?あそこをスカート履いて登ってたわ。
しかし、すぐに卒業となって、中学は別、
高校いっしょで、東浜でともかと「あ」は組体操をしててどっちもスタイルよかったのさ。
176と172っていいよなあwww
退社幼稚園の卒アルには全部すっとントンの写真が載ってるが、もう地震とか火災で
友達の家にはもうあるまい。


んーーー、こうやって見ていくと、あんまり喋ったことないのに、色々あったんだねえ。
でもホント、俺らはY田君と体操してて、隣にそこそこ別嬪の長身女性が二人いたって言うのは
しあわせなことだったぜ、ベイビーwww
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み