意味。

文字数 1,246文字

さて意味がないことに意味はあるのかということを考えてみるとでは意味があることに意味があるのかという疑問が決まって生じるがさてそれとは相対する意味がないこととはどのようなものかと思案するにそれは紛れもなく意味のないものを指すのであってそうなると意味のあることに意味はあるかという問いが不明瞭になりがちであるもののやはり意味のないものに意味を求めることそのものに意味を求めるという行為は意味のあることに対しても全く意味をなさないものであると定義することができると博士は言っていたけれどはたまたその博士を殺害したのが息子のアレックスでありアレックスは父親に対して重度のエディプスコンプレックスを抱えあるいは誇大妄想の過剰な少年でもあり彼を知る者の大半が「彼はいつか犯罪を犯すだろう」と感じていたとこの事件を担当した刑事課所属の刑事ジョセフは証言していると思いきや実のところ犯人はこの刑事だったのだから居た堪れないところで実際問題「息子のアレックスは父親を殺害していなかったのだ」と証言台にて弁護士アルバートが高らかに叫ぶやいなや被告のジョセフ泣き崩れ殺害の動機をポツリポツリと呟き始めやがて最後の力を振り絞るような声音で「レスター博士を殺したのは紛れもなく私であって今回の一件に息子のアレックスは無関係です…」と言うとガクッと床に膝を落としまるで玩具をなくした子供のようにわあわあと泣き喚きそれを見た弁護士アルバートは眼下の刑事に対して「あなたのその悲しみや歎きそれら全ては意味のないものだ。なぜならあなたは犯してはいけない罪を」やめろとアレックスが叫ぶ「弁護士さん…俺は 」のだけ俺は×…レスターを殺した動機は   くびれたウエストラインがそ   そこで   忘れはしないだろう」とここまで書いて私はペンを置いたのだが小説というものは本当に難解でややこしいものではなかろうかと煙草を吹かしつつ思う今日この頃で現在書いているのはこの父親殺しを議題にしたサスペンス小説なのだがこれがどうにも首尾よく書くことができず執筆活動は完全に暗礁にのりあげたといってよいかもしれないと思った矢先の閃きが私を襲い私は』とここまで書いて私はペンを置いたがそうゆう私は売れっ子の小説家であるが悲しいことに最近はネタ切れが随処に顕れこのままでは消えた作家さんの仲間入りを果たしてしまいそうだと不安になりつつ悪い夢ばかりみてはそれを忘れるがためだけに酒をガブ呑みする毎日でそんな時ほど妻が「金がない」と喚き始め終いには「子供の養育費がない」と泣き喚き「私達母子を餓死させようと企む最低夫」と罵り誹り怒鳴り騒ぎガナリ立てるのだからこちらとしてはたまったものではない』とここまで書いて私はペンを置いたのだが申し遅れたが私は新進気鋭の推理作家であり座右の銘は『全ての世に意味のないことなどない』であり意味のないことにだって意味はあるということを強調したいのである』とここまで書いておれは句読点を打ち、改行をする。


意味はあるのだ。
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