第3話

文字数 323文字

「君が去年もその前の年も、今と同じような格好で此処に来たからね。それに、そのランプは、毎年少しずつ炎の色が変わるんだよ」
「そんなの知らなかった」
「私がこうなった理由を知らない?」と、女の子がぼんやりとした目で見てくる。自分の姿が、鏡のように映り込んでいた。
 言いかけて、止めた。言ってしまえば、この女の子との繋がりが無くなってしまいそうで。
 チク、タク。チク、タク。部屋の時計が響いているように感じた。女の子と他愛もない話をすることも無く、ただただ、窓から外の景色を眺めていた。
「おや。もうこんな時間だね。そろそろ時間じゃないのかい?」
「うん。よく分かってますね」
「何回目だと思っているんだい?流石に覚えてしまったよ」

 今も昔も、待っていたから。
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