第2話 花火を一緒に
文字数 882文字
夏休み、実家での出来事で哀しみに揺れる椿を元気づけるために行った海の後。
麗音愛は更に椿を元気にする作戦を立てる。
その日の夜……
黒い丸い形のものを指差す椿。
麗音愛が火を着けると、蛇花火はウネウネと伸びだす。
麗音愛は何個かに火を着ける。
うねうね、うねうねと蛇花火がうねって燃えていく。
うねうね、うねうね、うねうね
椿は次に輪になった花火を見つけた。
シュババッババ!!と回転し椿に向かっていくネズミ花火!!
抱き合い少し止まる時間。
2人の間を少し涼やかな風が吹いていった。
夏休みの終わり、夏の終わり、秋の始まり。
あの日に屋上で出来なかった線香花火。
まだ自覚していない――。
それでも顔を寄せ合えば、線香花火の映る瞳に魅入られて火玉が落ちて、ハッとする。