プロット
文字数 1,394文字
起)言珠操(ことだまみさお)は物心ついたころから催眠術が使える小学六年生の女の子。
そんな操のクラスに、クール系イケメン男子――直理真紀(すぐりまこと)が転入してきた。
チャラチャラしない。勉強もスポーツもできる。けど、誰にも近寄らない。話さない。
クール系と言えば聞こえはいいが、単純に無愛想な上に塩対応。悪く言えば、ヤンキー系。
それでも、人づき合いがまったくダメな真紀と仲よくなりたい女子は多かった。
操もそのうちのひとりだった。ひと目ぼれだった。
承)操は真紀と仲よくなりたくて、お得意の催眠術をネタに彼に近づく。しかし、真紀は操を袖にする。
操は真紀の目の前で催眠術をかけてみるも、彼には術が効かなかった。
それどころか、逆に気持ち悪がられてしまう。
第一印象は最悪。
周りから見ても露骨に近づく操と、彼女が近づくだけで不機嫌そうに顔をしかめる真紀。
操は昔から催眠術に詳しい公野太輔(きみのたすけ)に相談する。しかし、まったく取り合ってくれない。逆に、「真紀なんかにかかわるなよ」と言われてしまう。
そのうち、催眠術にかからない真紀に興味を持った杏子が、だんだん彼と仲よくなっていった。
転)操は気が気ではなかった。自分は会話すらほとんどないのに、杏子は笑い合っている時さえあった。
負けず嫌いの操のアタックはさらに過激になる。もう、告白しているのと同じくらいに。
何度目かの催眠術の時、操はついに禁止されていた催眠術を真紀にかけてしまった。
「あなたはだんだんわたしを好きにな~る」
その瞬間、操は思い出した。
真紀は幼なじみだったのだ。
引っ越しで離れてしてしまう真紀を忘れたくなくて操は自分の記憶を閉じ込め、彼にも催眠術をかけたのだった。
「まことちゃんはだれも好きになったりしない。好きになっていいのはわたしだけ」と。
それはまるで呪いの言葉だった。
真紀の人間嫌いの無愛想さは、幼いころの操が作り出したものだったのだ。
結)実は、真紀は転校初日に操のことを思い出していた。
操に催眠術をかけられたことも、それが原因で自分がこんなに無愛想になってしまったということも。
なにも覚えていないような顔で軽々しく近づいてくる操を恨みもしたが、それよりも真紀は彼女への好意の方がはるかに強かった。
しかし、長い間無愛想だったせいで、真紀の性格はねじ曲がってしまっていた。
思い出したからとい言って告白なんかできない。それ以前に目の前に立たれるだけであまりのかわいさに顔が強ばる。緊張してしまう。
操がかけてくる催眠術には、死ぬ気で抵抗していたのだ。
時には太ももをつねり、時には舌を噛み。
「うわ、なんだこいつ。クールを気取ってるクセに、簡単に催眠術にかかるじゃん」なんて思われたくなくて。
催眠術を使ってでも自分の気持ちを伝えたい操と、それに対抗してクールでカッコいい自分を必死に保ち続けようとする真紀との攻防戦。
自分をこんな性格にさせておいてまだ催眠術に頼るのかと、真紀は断固として操の誘いに乗ったりはしなかった。
ぜんぶ覚えていたクセにヤキモチでなにも教えなかった太輔にジャマされつつ、杏子の天然無邪気な空気の読めなさに振り回されつつ、操と真紀はついに想いを伝え……ることはできなかった。
「あなたはだんだんわたしを好きにな~る」
「ぜってぇ、ならねぇ!」
だって、もう好きだからな。
そんな操のクラスに、クール系イケメン男子――直理真紀(すぐりまこと)が転入してきた。
チャラチャラしない。勉強もスポーツもできる。けど、誰にも近寄らない。話さない。
クール系と言えば聞こえはいいが、単純に無愛想な上に塩対応。悪く言えば、ヤンキー系。
それでも、人づき合いがまったくダメな真紀と仲よくなりたい女子は多かった。
操もそのうちのひとりだった。ひと目ぼれだった。
承)操は真紀と仲よくなりたくて、お得意の催眠術をネタに彼に近づく。しかし、真紀は操を袖にする。
操は真紀の目の前で催眠術をかけてみるも、彼には術が効かなかった。
それどころか、逆に気持ち悪がられてしまう。
第一印象は最悪。
周りから見ても露骨に近づく操と、彼女が近づくだけで不機嫌そうに顔をしかめる真紀。
操は昔から催眠術に詳しい公野太輔(きみのたすけ)に相談する。しかし、まったく取り合ってくれない。逆に、「真紀なんかにかかわるなよ」と言われてしまう。
そのうち、催眠術にかからない真紀に興味を持った杏子が、だんだん彼と仲よくなっていった。
転)操は気が気ではなかった。自分は会話すらほとんどないのに、杏子は笑い合っている時さえあった。
負けず嫌いの操のアタックはさらに過激になる。もう、告白しているのと同じくらいに。
何度目かの催眠術の時、操はついに禁止されていた催眠術を真紀にかけてしまった。
「あなたはだんだんわたしを好きにな~る」
その瞬間、操は思い出した。
真紀は幼なじみだったのだ。
引っ越しで離れてしてしまう真紀を忘れたくなくて操は自分の記憶を閉じ込め、彼にも催眠術をかけたのだった。
「まことちゃんはだれも好きになったりしない。好きになっていいのはわたしだけ」と。
それはまるで呪いの言葉だった。
真紀の人間嫌いの無愛想さは、幼いころの操が作り出したものだったのだ。
結)実は、真紀は転校初日に操のことを思い出していた。
操に催眠術をかけられたことも、それが原因で自分がこんなに無愛想になってしまったということも。
なにも覚えていないような顔で軽々しく近づいてくる操を恨みもしたが、それよりも真紀は彼女への好意の方がはるかに強かった。
しかし、長い間無愛想だったせいで、真紀の性格はねじ曲がってしまっていた。
思い出したからとい言って告白なんかできない。それ以前に目の前に立たれるだけであまりのかわいさに顔が強ばる。緊張してしまう。
操がかけてくる催眠術には、死ぬ気で抵抗していたのだ。
時には太ももをつねり、時には舌を噛み。
「うわ、なんだこいつ。クールを気取ってるクセに、簡単に催眠術にかかるじゃん」なんて思われたくなくて。
催眠術を使ってでも自分の気持ちを伝えたい操と、それに対抗してクールでカッコいい自分を必死に保ち続けようとする真紀との攻防戦。
自分をこんな性格にさせておいてまだ催眠術に頼るのかと、真紀は断固として操の誘いに乗ったりはしなかった。
ぜんぶ覚えていたクセにヤキモチでなにも教えなかった太輔にジャマされつつ、杏子の天然無邪気な空気の読めなさに振り回されつつ、操と真紀はついに想いを伝え……ることはできなかった。
「あなたはだんだんわたしを好きにな~る」
「ぜってぇ、ならねぇ!」
だって、もう好きだからな。
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