起承転結プロット

文字数 3,091文字

起)
 一年α組のソーニャは優秀な学生である。
 彼女が通っているのは、「数年後、魔王の封印が解かれ、大きな戦争になる」という予言のもと、各地に設立された、魔法を用いた戦闘訓練を学ぶ魔法学校。満十五歳からの入学が義務付けられている。
 ソーニャには野望があった。戦争の際に行方不明を装って国外逃亡することだ。たとえ一人でも生き延びてやる、と。
 そのために学校では猫を被り、成績と信頼を着々と積み上げている。
 一年前期の期末実技試験において、ソーニャはクラスで浮いている男子・ティトとペアを組むことになった。挨拶に行くと「お前、気持ち悪いな」と猫被りを見破られていしまい、最悪の出会いを果たした。
 しかし、そんなティトと見事に実技試験を突破し、二人は打ち解ける。
 一週間以内に、一年を通してのバディを組むように先生から指示される。
 クラス一位の成績を持つソーニャは引く手数多であった。
 また、実技成績の良いティトも何人かに勧誘されていた。
 ソーニャは全ての誘いを断る。ティトも誘いを断る。
 期限最終日、バディのいないソーニャとティトは偶然鉢合わせ、二人はバディを組むことになった。

承)
 クラス対抗戦が行われる。α組とβ組から、決められたペア同士で日にちを分けて二戦。
 対戦相手が廊下に張り出され、ソーニャはティトに内緒でβ組に偵察に行く。
 そこで、対戦相手のルカに見つかってしまう。ソーニャは自分が対戦相手だとバレないように嘘をつく。
 ソーニャと話しているうちに、ルカはソーニャを好きになる。
 そこへ、ティトが現れ、ルカとティトは険悪な雰囲気に。
対抗戦当日。ルカはソーニャが相手だと知ってびっくり。
 ルカのバディであるレオンはその様子を見て、呆れている。
 レオンの戦闘スタイルは把握できていないが、なにやらルカと性格の相性が悪そう。ルカはレオンを好きそうだが。
 ガンナーであるルカのエイムも悪く、有利に事が進むと思われた。
ルカがソーニャを巡って、ティトに挑発する。ティトは無関心を装うが、ムキになる。
 ルカとティトが対面しているところをソーニャが狙撃しようとすると、背後からレオンが現れる。レオンは竜使いだった。警戒心の強い索敵能力に長けた竜を呼び出し、ソーニャの位置を特定したのだ。
 接近戦が苦手なソーニャは必死に抵抗するも、レオンによって戦闘不能にされてしまう。
 レオンはソーニャの抵抗を評価する。
 二対一となり、あまりの不利状況にティトも敗北する。
保健室で目覚めるソーニャ。隣にはティト。
 ソーニャは自分のせいで負けたと謝るが、ティトは自分の力不足だったと言う。
 二人はリベンジを誓って、仲を深める。
 校庭の隅で、ソーニャはティトに手合わせを頼んだ。苦手な接近戦を克服するためだ。
 ライフルで接近戦になっても勝てるよう、もしくはカバーが来るまで時間が稼げるよう。
 ティト「一つ、すぐに実践で使えるテクニックがある」
 手合わせの途中、二人はバランスを崩し、ティトがソーニャを押し倒してしまう。なかなか退かないティト。顔が近づいてくる。
 そこに、ルカとレオンが居合わせる。
 ルカがティトを引き剥がし、ティトに説教を始める。ティトは答えない。
 言い争う二人を無視して、ソーニャはレオンに話しかける。戦争に対する考え方が似ており、二人はすぐに仲良くなった。
 対抗戦二回戦、当日。作戦は「レオンから落とす」。
 ソーニャとティトは、ルカを無視してレオンを探す。しかし、レオンはそれを見越しており、ルカに足止めするよう指示していた。
 レオンが一回戦同様、ソーニャの背後に近づく。レオンがソーニャに攻撃しようとした瞬間、ソーニャが振り向き、レオンを射抜いた。
 スナイパーはそもそも接近戦にならない方が好ましい。ソーニャはティトから音をよく聞くようにアドバイスされていたのだ。振り向き様のエイムはティトとの鍛錬の成果だ。
 致命傷ではないダメージを喰らったレオンが立ち上がろうとするが、ルカを振り切ったティトのカバーが間に合う。レオンが戦闘不能に。
 そのティトを物陰から狙うルカをソーニャが仕留める。
 後日、二回戦のリカバリーが評価され、成績優秀者として廊下に名前が張り出されるソーニャ。
 昼休みにそれを見ていると、ティトが話しかけてくる。ソーニャがティトのお陰だと感謝を述べると、ティトは驚く。
ティト「嘘つかなくなったのか」
 ソーニャ「ティトの前で猫被っても、無駄だもの」
ティトとソーニャは笑い合う。そこへ、ルカとレオンがやってくる。
 ルカはソーニャを口説き始め、間に割って入るティト。二人が言い争っている隙に、レオンがソーニャをご飯に誘う。
 四人で仲良く食堂へ向かった。

転)
 一年生クラス合同で野外実習が行われた。凶暴な生物たちが生息する森の中へ、指定された水晶玉を取りに行くというものだ。迷路のように入り組んでおり、道と呼べるべき道がない。各自一斉スタートしたが、すぐに道に迷ってしまうソーニャとティト。そこへルカとレオンとばったり出くわす。
 ソーニャを巡って争う三人だったが、突然、地響きが鳴り響く。レオンが竜を召喚し、上空から森の様子を伺う。
 凶暴な生物ではなく、巨大な魔物が現れていた。
 ソーニャ「嘘でしょ!? 魔王の封印はまだ解かれていないはずじゃ…」
 レオン「多分、もう封印が緩み始めてるんだ」
 とんでもない勢いでこちらに向かってくる。ティトとルカが応戦したが、全く歯が立たずに蹴散らされてしまう。遠くへ吹っ飛ばされる二人。
 レオンが咄嗟の判断でソーニャを抱え、竜に乗ってなんとか逃れる。
ティトとルカがどこに行ったか分からない。
 レオンに抱えられ、二人だけで学園に戻る。先生たちがティトとルカを探しに行ってくれるそうだ。レオンがソーニャの元に来る。自分だけでも生き延びてやると考えていたのに、二人が心配で仕方ないことに気づく。
 魔物が現れたと緊急事態になり、学園は騒然。行方不明の生徒を捜索するため、学校は一時休校となり、生徒たちは寮で待機となった。
 レオンと話し合い、二人は捜索に勝手に飛び出す。
 魔物に会った場所付近を探しに行く。
 崖の上で複数の魔物たちに追い詰められているルカを発見する。空から竜で近寄り、間一髪でルカを助ける。
 ルカからティトの居場所を聞くが、吹っ飛ばされた方向が二人とも異なったため、会えていないと言う。
 ティトの「音を聞け」というアドバイスを思い出し、耳を澄ますソーニャ。ティトの声が聞こえた。
 遠くでティトが魔物と戦っていた。
 竜に乗って移動していたら間に合わない距離。
ソーニャは魔力をすべて使って自身が出せる最長距離のライフルを生成する。しかし動く竜の上で、一発しか撃てない。ティトに当たるかもしれない。緊張感。
 構えて、スコープを覗く。
 魔物にヘッドショット。魔物が倒れる。
 長距離射撃にルカとレオンが驚く。
 三人が乗っている竜がティトの元に到着する。
 魔力を使い果たしたソーニャは、体に力が入らず、乗っていた竜から落ちてしまう。
 ティトはそれをキャッチする。
 薄れゆく意識の中で、ソーニャはティトが微笑んだのを見た気がした。「ありがとな」

結)
 保健室から目覚めたソーニャを待っていたのは、教師陣からのお説教だった。成績優秀で優等生のソーニャが、先生からの指示を破ったことに全員が驚いていた。優等生から一気に問題児へと転落するソーニャ。
 職員室から出てきたソーニャをティトとルカとレオンが迎える。
 みんなと戦うのも悪くないか、とソーニャは思うのだった。

 
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