第1話 幻滅
文字数 412文字
子供のころ、私の叔父の部屋に勝手に入ったとき、そこには煙草の吸殻やごみ袋、積み上げられた焦げた雑誌を見てしまい、それから大好きだった叔父に会うたび彼の顔が黒く塗りつぶされている気がしました。
そういえば私は、目をつむると優雅なオーケストラが聞こえ、自分は誰からも必要とされてなく必要としてるのは自分だけという気がします。頭の中が暗く白く満たされると、私は自身の肉体を客観視できるようになりました。そのとき、壁についている目は私を興味なく見つめて、天井の口は思考を停止した言葉を話します。
果たしてその壁、その天井は本当に実在しているのか。私の周りにある服、部屋、床、天井、本、ペンは絶対的なものなのか。
それを考えたとき、オーケストラの奏者は片手片足を失い、震えながらロウソクの火が消えるような不協和音を全力で奏でようとします。
そして、元々オーケストラなんてなかったことに気づいた時、私は「幻滅」という感情を知りました。
そういえば私は、目をつむると優雅なオーケストラが聞こえ、自分は誰からも必要とされてなく必要としてるのは自分だけという気がします。頭の中が暗く白く満たされると、私は自身の肉体を客観視できるようになりました。そのとき、壁についている目は私を興味なく見つめて、天井の口は思考を停止した言葉を話します。
果たしてその壁、その天井は本当に実在しているのか。私の周りにある服、部屋、床、天井、本、ペンは絶対的なものなのか。
それを考えたとき、オーケストラの奏者は片手片足を失い、震えながらロウソクの火が消えるような不協和音を全力で奏でようとします。
そして、元々オーケストラなんてなかったことに気づいた時、私は「幻滅」という感情を知りました。