第1話
文字数 1,651文字
むかしのおはなしです。とあるところにはるひめというおひめさまがいました。
あるひのことです。はるひめがあるいているとじめんにゆきがつもってました。
「ここにゆきがふることなんてめったにないのに」
はるひめはふしぎにおもいながらゆきのあるほうへむかいました。すると、そこにはひとりさびしそうにおとこのこがすわっていました。
「こんにちは。わたしははるひめ、なんでまわりをふゆにしてるの?」
「ぼくはゆき。すきでふゆにしたんじゃないよ」
ゆきくんがそう言って、そっぽをむくとどうじにまわりがさむくなっていきました。
「あなたはひとりなの?」
「ひとりだよ、ずっと」
ひざをかかえてすわりこむゆきくんはとてもさびしそうにみえました。
「じゃあ、わたしとおともだちになろう! そうしたらひとりじゃないよ」
はるひめはゆきくんとなかよくなりたくて、あくしゅしようとしました。
「みんなおなじことをいうよ。でも、みんないなくなる」
ゆきくんははるひめとあくしゅをしようとはしてくれません。
「それなら、まいにちあいにいくよ!」
けれど、はるひめはともだちになることをあきらめませんでした。ともだちになるためにはるひめはまいにちゆきくんにあいにいきました。
ゆきくんはどうせすぐにいなくるとおもっていました。けれど、まいにちやってきてくれるはるひめをみて、しんじてもいいかもしれないとおもいました。
ゆきくんがこころをひらいてきてくれてることにはるひめはとてもうれしいとおもいました。
そして、もっとゆきくんとなかよくなりたいとおもったのです。
「ねぇ、ゆきくん。こんどいっしょにおまつりにいこう!」
「……ぼくはいけないよ」
ゆきくんはこまったかおでそういいました。
「どうして?」
「ぼく、きらわれてるから」
まわりをふゆにしてしまうゆきくんをみんなこわがってさけているのです。だから、ゆきくんはじぶんがいっちゃいけないとおもったようです。
「だいじょうぶ! わたしがいるから」
「はるひめがいるなら......」
はるひめといるときだけ、ゆきくんのまわりにゆきがふることはなかったのです。だから、大丈夫だとおもいました。
しかし、おまつりでゆきくんとはなひめははぐれてしまいました。まわりはみんなしらないひと。ゆきくんはこわくなってしまいました。すると、つめたいかぜがふきあれ、あっというまにまわりはゆきでまっしろに。
「ゆきくん!」
はしりまわって、はるひめはようやくゆきくんをみつけました。みんながゆきくんをこわがっていました。そのなかでゆきくんはひとりポツンとたっていました。
「ゆきくん!」
ゆきくんはにげだしてしまいました。はなひめはいそいでゆきくんをおいかけました。
「こないで!」
ゆきくんはにげます。ゆきくんがとおくにいくほど、つめたいかぜがはるひめをおそいます。
けれど、はるひめはさむさなんかにまけません。
「どうして? なんでおいかけてきたの?」
「いなくならないってやくそくしたから!」
さむいけれど、はるひめはへっちゃらです。
「ぼくのそばにいるとつめたくなっちゃうよ」
「だいじょうぶだよ」
はるひめはゆきくんをぎゅっとだきしめました。
「ひとりはさむいけど、ふたりならさむくない」
ひえたからだが、こころがどんどんあったかくなるのがゆきくんにはわかりました。
「はるひめ、ありがとう」
はるひめにだきしめられながら、ゆきくんはなきました。そうしてゆきくんのなみだがじめんにおちると、じわじわとゆきがとけていきました。きがつくとまわりのゆきはなくなり、きれいなおはなばたけになったのです。
「こんなおはなばたけはじめてみた......」
「わたしもこんなきれいなおはなばたけはじめてみた!」
「ほんとうに?」
「うん!いままでみてきたどんなおはなばたけより、きれい!」
「そっか......」
それからゆきくんのまわりがもうふゆになることはありませんでした。はなひめとゆきくんはあたたかいはるのなかでいつまでもしあわせにくらしました。
あるひのことです。はるひめがあるいているとじめんにゆきがつもってました。
「ここにゆきがふることなんてめったにないのに」
はるひめはふしぎにおもいながらゆきのあるほうへむかいました。すると、そこにはひとりさびしそうにおとこのこがすわっていました。
「こんにちは。わたしははるひめ、なんでまわりをふゆにしてるの?」
「ぼくはゆき。すきでふゆにしたんじゃないよ」
ゆきくんがそう言って、そっぽをむくとどうじにまわりがさむくなっていきました。
「あなたはひとりなの?」
「ひとりだよ、ずっと」
ひざをかかえてすわりこむゆきくんはとてもさびしそうにみえました。
「じゃあ、わたしとおともだちになろう! そうしたらひとりじゃないよ」
はるひめはゆきくんとなかよくなりたくて、あくしゅしようとしました。
「みんなおなじことをいうよ。でも、みんないなくなる」
ゆきくんははるひめとあくしゅをしようとはしてくれません。
「それなら、まいにちあいにいくよ!」
けれど、はるひめはともだちになることをあきらめませんでした。ともだちになるためにはるひめはまいにちゆきくんにあいにいきました。
ゆきくんはどうせすぐにいなくるとおもっていました。けれど、まいにちやってきてくれるはるひめをみて、しんじてもいいかもしれないとおもいました。
ゆきくんがこころをひらいてきてくれてることにはるひめはとてもうれしいとおもいました。
そして、もっとゆきくんとなかよくなりたいとおもったのです。
「ねぇ、ゆきくん。こんどいっしょにおまつりにいこう!」
「……ぼくはいけないよ」
ゆきくんはこまったかおでそういいました。
「どうして?」
「ぼく、きらわれてるから」
まわりをふゆにしてしまうゆきくんをみんなこわがってさけているのです。だから、ゆきくんはじぶんがいっちゃいけないとおもったようです。
「だいじょうぶ! わたしがいるから」
「はるひめがいるなら......」
はるひめといるときだけ、ゆきくんのまわりにゆきがふることはなかったのです。だから、大丈夫だとおもいました。
しかし、おまつりでゆきくんとはなひめははぐれてしまいました。まわりはみんなしらないひと。ゆきくんはこわくなってしまいました。すると、つめたいかぜがふきあれ、あっというまにまわりはゆきでまっしろに。
「ゆきくん!」
はしりまわって、はるひめはようやくゆきくんをみつけました。みんながゆきくんをこわがっていました。そのなかでゆきくんはひとりポツンとたっていました。
「ゆきくん!」
ゆきくんはにげだしてしまいました。はなひめはいそいでゆきくんをおいかけました。
「こないで!」
ゆきくんはにげます。ゆきくんがとおくにいくほど、つめたいかぜがはるひめをおそいます。
けれど、はるひめはさむさなんかにまけません。
「どうして? なんでおいかけてきたの?」
「いなくならないってやくそくしたから!」
さむいけれど、はるひめはへっちゃらです。
「ぼくのそばにいるとつめたくなっちゃうよ」
「だいじょうぶだよ」
はるひめはゆきくんをぎゅっとだきしめました。
「ひとりはさむいけど、ふたりならさむくない」
ひえたからだが、こころがどんどんあったかくなるのがゆきくんにはわかりました。
「はるひめ、ありがとう」
はるひめにだきしめられながら、ゆきくんはなきました。そうしてゆきくんのなみだがじめんにおちると、じわじわとゆきがとけていきました。きがつくとまわりのゆきはなくなり、きれいなおはなばたけになったのです。
「こんなおはなばたけはじめてみた......」
「わたしもこんなきれいなおはなばたけはじめてみた!」
「ほんとうに?」
「うん!いままでみてきたどんなおはなばたけより、きれい!」
「そっか......」
それからゆきくんのまわりがもうふゆになることはありませんでした。はなひめとゆきくんはあたたかいはるのなかでいつまでもしあわせにくらしました。