第1話

文字数 1,087文字

起)ドルエ王国には生まれながらにして、剣士、魔術師、スナイパー、ヒーラーといった役職が与えられる制度があり、この国の少女ソラはヒーラー(回復役)として誕生した。この国では国王によって結婚相手が決められ、結婚すると夫婦でこの国を裏で支配する悪魔アゾレを倒しに行くことになっている。ソラはヒーラーとしての役割を果たすため本来は戦士と結婚するはずであった。しかしながら、国王の手違いによりソラは同じヒーラーのエノンと結婚することになってしまう。

承)エノンと結婚したソラは、武器を持たないヒーラー同士では戦いに勝てるはずがないと落ち込んでしまう。しかしながら、国民の義務として戦いに行かなければならず、エノンとソラはやられるのを覚悟でアゾレが住むメテト山に行くことを決意する。二人は馬に乗って悪路を進み、何とかメテト山の麓に到着すると、そこで一匹の傷ついた小さなトカゲを発見する。怪我をしていて可哀想だと思った二人はヒーラーの能力を活かし、トカゲの傷を治癒する。


転)トカゲは傷が治ると、巨大化を始め、翼が生えてくる。なんと二人が助けたトカゲは、アゾレが移動するために乗るドラゴンであり、人間の攻撃から逃れるためにトカゲに変身し命さながら山の麓に降りてきたのであった。エノンとソラはドラゴンに襲われるのではないかと身構えたが、ドラゴンは襲うどころか二人を命の恩人として背中に乗せ、幻と言われるドラゴンの島に案内してくれた。その島にはたくさんのドラゴンがいるが、その中に一匹の巨大ドラゴンがいた。このドラゴンこそ全ドラゴンの中のリーダーであるハダルであり、ハダルは大怪我を負っていた。メテト山にいたドラゴンは二人にハダルの怪我を治癒してほしいためにドラゴンの島に連れてきたのであった。エノンとソラは二人で協力し合い、なんと丸三日もかけてハダルの治癒にあたった。二人のおかげでハダルはすっかり元気になり、ハダルはお礼代わりに二人の願いを叶えてあげるといった。二人はハダルに一緒に悪魔アゾレを倒しにきてほしいとお願いし、二人はハダルの背中に乗って再びメテト山に向かう。


結)メテト山に到着した一行。ついに悪魔アゾレと戦うことになる。最初はアゾレに押されていたものの、アゾレに攻撃されても二人の力ですぐに治癒できるためハダルは無敵状態であり、最後はアゾレが力尽きて勝利を挙げる。二人はハダルに感謝の意を述べお別れをし、ドルエ王国に帰還する。すると二人は英雄として迎えられ、豪華な歓迎会が開催される。エノンとソラはヒーラー同士で結婚したからこそアゾレに勝つことができたと話し、幸せな時間を過ごす。
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