プロット

文字数 1,002文字

【起】
水野美音は、歌が好きな小学校6年生。
わりと活発な明るい女の子で、三つ編みがトレードマーク。
でも、美音はとあるトラウマを抱えていた。
それは『人前で歌うことができない』というもの。
低学年の頃。歌の発表会で歌詞を飛ばし、固まってしまったことをクラスメイトに笑われて以来、人前で歌うことが大きなトラウマになっていたのだった。
それゆえ、幼い頃からの『歌手』になりたい夢を手放そうと諦めかけていた。

【承】
それでも歌が好きな気持ちに、変わりはない。
放課後になると、帰り道にある小さな公園で、こっそりと歌う毎日。
そんなある日のこと。
「なぁ、俺と手を組まないか」
背後から突然話しかけてきたのは、クラスメイトの爽やかイケメン、成瀬悠也だった。
「水野の歌、すごい上手いなって思ってた」
美音の歌を隠れて聴いていたという悠也は、美音に対し、『歌うVtuber』として一緒にやっていこうと無理やり頼み込む。
いきなりの出来事に混乱する美音だったが、自分の作った曲を歌ってほしい!という悠也の熱意に押され、なりゆきでうなずいてしまう。
こうして始まりを告げた、悠也による美音の『Vtuber』計画。
なんでも、悠也は作詞作曲・プログラミングを1人でこなすハイテク男子だった。

【転】
悠也に言われるがまま、『Mion』として練習をスタートした美音だったが、その表情はどこか曇っていた。
そして初配信の日。
約束の時間になっても美音はやって来ず、心配して探す悠也は、いつもの公園でその姿を見つける。
「やっぱり私には歌えない……できないよ」
そう弱音を吐く美音に、悠也は優しく話しかける。
実は、歌手の夢を持っていた悠也の兄は、病気で声を失っていた。
また、美音のトラウマの現場に、悠也は居合わせていたのだった。その時から美音の歌に惹かれていた悠也。
「歌うことを諦めるのは今じゃない」と励ます。

【結】
悠也は、美音を励まし、もう1度だけチャンスをくれないかと頭を下げる。
「美音の歌声を、Mionとして、俺と一緒に届けてくれないか……?」
真剣な表情の悠也に、美音は覚悟を決める。
「……私、歌うよ。もう逃げるのはやめる」
真っ直ぐに見つめ合い、2人は固い握手を交わしたのだった。
改めて行った、Mionの初配信。
楽しそうに笑顔を浮かべるMionのアバター。
「みなさんはじめまして!Mionです!」
その挨拶と共に、悠也の作った曲『Dreaming』を歌うのだった。
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