朝と夜
文字数 223文字
朝、目を覚ますとき。
水色の世界。
きちんと閉めたはずのカーテンから、薄らと陽光が手招きしている。
手を伸ばしてその暗幕を引っぺがすと、やさしいひかり。
黄色が這ってゆく。
太陽の恒常性はいつも、わたしに安堵をもたらしてくれる。
夜、眠るとき。
カーテンから漏れ出す薄ぼんやりとした街灯のひかりは、すこし不気味。
(ばけものみたい)
封をするようにきっちりとその布を掻き集めて、ようやくわたしはしずかな気持ちになる。わたしの部屋からは、月も見えないから、さびしい。
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