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文字数 790文字

 俺は一瞬、こいつはひょっとしたら、何処かの国の秘密結社のエージェント?
まさか!宇宙人?それとも妖怪変化? 魔法使い?と思っていた。
参った、一体どんな秘密なのだぁ!
と冷や汗をかいていると、

「兎に角、両親に会って。それから話しましょう」

と言った。すると車掌が現れて、

「後5分で着きます」

と言った。
 えっ?!何処に?
止まっている列車が地下鉄が、何処へ着くというのだ?!
俺が窓の外を確かめると、壁が急速に上へと動いていた。下に下りている!!?
俺が彼女に振り向くと。冷静な顔で、

「今、地下3万メートルにいるわ。あと、2万メートル下りるから」

と平然と言った。
 な、な、な、なんですトォ?
俺は嫌な予感がした。
ゆっくりと壁が止まりだした。
まったくGを感じなかった。
何なんだ、このシステムはと驚いていると。
明るい駅のホームに上から下へと?下から上?降りて止まった。エレベーターの様だ。
車輌ごとエレベーター?
 何なんだ〜!秘密結社に違いない!
抹殺されるか。さもなくば、新しいメンバーに成るしか生き残れないに違いない!
 俺は覚悟を決めた。

 列車の扉が開くと、何人かが降りていた。
俺の前には、おじさんとおばさんがいた。
普通の格好だ。皮の総つなぎでも着てるか、
真っ黒な工作員的な服を着ているかと予想していたが。まったく、何処にでもいる人の服装だった。

「お母さん!お父さん、只今!」

彼女はお父さんに飛び付きキスを頬にして。
次にお母さんと呼んだ人に抱きついた。
 そして、振り向くと。

「私の新しい彼氏の海野君。結婚して欲しいって」

二人は驚いた顔をした。そして嬉しそうに、

「そうか!良かったな!」

と抱き合っていた。
 あの〜、その洋風の喜び方、ちょっと引くんですけど。
一応日本人ですし〜、と思っていると。
彼女が、

「私達、地底人なの。私達はインナースペース人と呼んでるけど。地上の人には、その方が分かりやすいわよね」
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