プロット

文字数 1,660文字





小学五年生の仲良し4人組はいつも一緒に遊んでいる。

リーダー格の明るく猪突猛進の少年・セキヤ。

クールでニヒルな少年・アオ。

ぽっちゃりとした体格の朗らかな少年・エイ。

天真爛漫な少女・モモカ。



四人は夏休みのある日、ちょっとした冒険で入りこんだ廃工場で、使い古されたボロボロなパソコンを発見する。

セキヤがマウスをいじると、PCの暗い画面の中から突如動画が流れてくる。







その動画は最初、明るく愉快なものだったので、四人は廃工場の床に座り動画を眺めていた。

四人は時折動画にチャチャを入れながら、時に笑い、時に興奮しながら、その日の午後いっぱいを廃工場で過ごした。

アオだけはその廃工場に何か不気味なものを感じたので帰ろうとしたが、他の三人は聞きいれず、しかたなくアオもその場にとどまっていたのであった。



途切れなく流れる動画を見ているうちに日が暮れ、夕方になった。

家に帰る時間が来た。

エイとセキヤはまだ残りたがったが、アオとモモカの説得で帰路に着くことにする。

四人が腰を上げた瞬間、画面に「最後の動画」の文字が出る。







「最後の動画」を見て帰りたいというセキヤとエイの意見に仕方なく同意したアオとモモカも一緒に「最後の動画」を見始める。

それは今までの楽しい動画とは打って変わって、暗く陰鬱なものであった。

「おい、帰ろうぜ」

怖くなったセキヤが言い、三人も同意する。

さっさと帰ろうとする四人だが、廃工場の全ての扉が突如として閉まり、出ることができない。

「こっちへ来て!助けてあげる!さあ!」

動画からセキヤたちと同じ年頃の少女の声がする。

アオとエイは警戒するが、単純なモモカとセキヤはパソコンをのぞき込んでしまう。

と、パソコンの中へ吸い込まれていく二人。

二人を助けようとアオとエイが二人をつかむが、逆に引っ張られ、四人は動画の中の世界へと入ってしまった。



「ダークチャンネルの世界へようこそ!」

パソコンの中の世界は、最後の動画と同じように暗く陰鬱で巨大な三階建ての洋館であった。

いたるところに動画を映すパネルがあり、そこから声が聞こえてくるのであった。

「動画の配信者である私を2時間以内に見つけられたら、元の世界へ返してやろう!見つけられなかったら、一生ここから出られない」

少女の声がそう告げる。







洋館を隅から隅まで、離れないようにくっついて四人で探し回る。

洋館の部屋はどこも掃除されておらず、蜘蛛の巣が張っていたり鼠が歩きまわっていたりして、不気味だ。

全ての部屋を見終わっても、ダークチャンネルを配信している少女は見つからなかった。

「あと45分!見つけられるかな?見つけられなかったら・・・うきゃきゃ」

時間がないので手分けして洋館をもう一度見て回る四人。

しかし、見つからない。



「あと20分!もうあきらめたら?きゃはは」

ダークチャンネルの配信者は楽しそうに言う。

その時、パネルに映ったダークチャンネルの部屋の外の風景の違和感にアオが気づく。

そこで見える風景は三階で見た風景では見えていなかったものが見えていた。



四人は気づく。ダークチャンネルは三階よりもさらに上の場所から配信されていることに。

「あと10分!」

四人は三階に向かい、屋根裏部屋へと続く秘密の階段を必死で探す。

「あと5分!」

もう時間がない!焦る四人。

その時エイがふとした瞬間に転ぶ。

と、たまたまエイが転んだ先に階段を押すスイッチがあり、屋根裏部屋へのルートが開かれ、ダークチャンネルの配信部屋へとたどり着く。



「残念・・・。あなたたちとなら友達になれると思ったのに」

そういってダークチャンネルを配信していた少女・ミドリは泣き始める。

「俺は楽しかったよ!冒険みたいでさ。」

セキヤが言う。

「そうよ、また遊びましょう。」

モモカも言う。

「あの廃工場に、またいくよ」

エイも笑う。

「ふん!まあ、みんながそういうなら」

アオもしぶしぶ承認する。

「ありがとう!」

ミドリは喜びの涙を流す。



四人は元の廃工場に戻る。

辺りは暗くなり始めていた。

「また明日!」

四人はパソコンの中のミドリに告げると、急いで家に帰る。

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