本文
文字数 307文字
「苦い…。」
知らなかった。日付が変わってから飲むコーヒーは、こんなにも苦く感じるなんて。半分ほど飲んだ私は、観念して電気の消えたキッチンからミルクと砂糖を取ってくることにした。
ミルクを入れたコーヒーは、瞬く間に色を変える。夜みたいな黒から、どこか温かみを感じるブラウンに。
思えば、きっと彼との関係もそうだったんだ。温かく感じていたのは私だけ。穏やかなと、甘いを分けてしまえば、残るのは苦くて酸っぱいだけ。
それならいっそ。一度混ぜたら分けられなければ良かったのに、コーヒーみたいに。そんなことを思いつつ、私は微かな甘みを期待してミルクコーヒーを口に運んでみたんだ。
コーヒーは、期待に反して酷くしょっぱかった。
知らなかった。日付が変わってから飲むコーヒーは、こんなにも苦く感じるなんて。半分ほど飲んだ私は、観念して電気の消えたキッチンからミルクと砂糖を取ってくることにした。
ミルクを入れたコーヒーは、瞬く間に色を変える。夜みたいな黒から、どこか温かみを感じるブラウンに。
思えば、きっと彼との関係もそうだったんだ。温かく感じていたのは私だけ。穏やかなと、甘いを分けてしまえば、残るのは苦くて酸っぱいだけ。
それならいっそ。一度混ぜたら分けられなければ良かったのに、コーヒーみたいに。そんなことを思いつつ、私は微かな甘みを期待してミルクコーヒーを口に運んでみたんだ。
コーヒーは、期待に反して酷くしょっぱかった。