なにもない

文字数 275文字

指と指のすきまに
きみの影をみた
雲のすきまに
なつかしい面影を

死のしゅんかん
そうだといい
だれかの後すがたでも
おもいだせたら

にちじょうは不規則はがめんのなかで
このほしから人間をけしていく
おもうことがそんざい理由だとしたら
ぼくはさいきんきえ続けている

ちきゅうの上からひとがきえている
だれかがさけんだその声も
おぼえたての新鮮なことばだって
死のまぎわにゆめをみる

きみはだれ
ここはどこ
ぼくはだれ
それはなに

石をみる
空をきく
手をのばす
空間になにもないことを

たしかめる
なにもないことを
切りさくように
手をうごかして

なにもない
なにもない
ここにはなにも
だからぼくらは
それでいい
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