プロット

文字数 908文字

起)中学2年生の夏休み、主人公の和人(かずと)はほぼ毎日幼馴染で隣に住んでいる女の子の千夏(ちなつ)の家に遊びに行った。千夏は生まれつき身体が弱く、あまり学校には来ていないため友達が少なく寂しいだろうと感じていた和人はいつも暇さえあれば千夏の家に遊びに行っていた。いつも遊ぶときはパズルやゲームなど家の中でできる遊びをしていたが、ほとんどの日常を家の中で過ごす千夏と一緒に外で何かをしたくて和人は夏祭りの花火を一緒に見に行くため夏祭りに誘った。千夏は親に相談し、夏祭りに行くことが可能となり、和人は当日に向けてテンションが上がっていた。

承)迎えた夏祭り当日、いつものように千夏の家に向かう。玄関で迎えた浴衣姿の彼女にふと和人の顔が赤くなる。一緒に歩いていくため手を繋いで祭り会場に向かった。千夏の握る力は弱弱しいが彼女の手が暖かく柔らかいのが伝わり心地よく感じた。
祭り会場につくと様々な屋台があり、初めて目にする光景に千夏は目を輝かせていた。繋いでいる手を思い切り引っ張られる。少し戸惑うが笑顔に歩く彼女を見て和人は微笑ましくなった。

転)千夏と屋台やお祭りの雰囲気を楽しみながら、そろそろ花火の時間だと思い花火がよく見える場所に移動するため歩き出すと突然千夏の息遣いが荒くなる。和人は心配しながら千夏の顔を覗き込む。青ざめた千夏の顔はまるで先ほどの笑顔の彼女とは別人のように思えた。パニックになった和人は声を荒げる。千夏は目を閉じ、地面に倒れた。

結)周りの人たちの協力もあり、病院に運ばれ病室で寝ている千夏を見て和人は責任を感じていた。「もし夏祭りに誘っていなかったら」「家で安静にしておけば」そう思うと悔しくてたまらなかった。腕に刺されている点滴が痛々しく感じる。外がまぶしく光る。病室から見える花火はとても綺麗でとてもはかなく見えた。花火に照らされる千夏の横顔を見るとうっすらと目を開けていた。「すごく綺麗だね……」いかにも消えそうなか細い声で千夏が口を開いた。和人は静かに泣きながら謝る。千夏は点滴を打っていないほうの手を伸ばし和人の涙をぬぐう。「来年も和人君と花火見たいな」「でも今度はもっと近くで……」そう彼女と約束を誓った。
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