第1話

文字数 420文字

朝、目覚めるとそのままの姿勢で天井をボーッと見る。
それから何の気なしにゆっくりと起き上がる。
そうして今日が始まる。

始まったばかりの今日、新しい一日。
それを感じながら、それでも昨日と同じ一日を過ごす。
起きる時間は5時。
いつもと同じ順序で同じ動きで朝の身支度を整える。
コーヒーを淹れ、いつものように縁側に座り、庭を見つめる。
この時間だけ、いつもと違う事がたくさんある。
庭に植っている草木、住んでいる虫たち、朝の光さえも昨日と、いやいつも違う。
この空間だけは同じ日はこれまでに一度も無い。
見過ごしてしまいそうなとても小さな変化だけれど、私の生活で唯一変化がある空間なのでかなり敏感になっているのだろう。
というよりも、この空間の微々たる変化に気づくために、その他の行動を日々同じようにしているかもしれない。私の楽しみ。そして活力。
あぁ、今日もやはり昨日とは違う日なんだな。
そう思うことのできる日課である。
そして今日も私のルーティーンは完璧に流れる。
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