第1話

文字数 2,917文字

愛犬ハチが死んだ。ピアノの名手リヒャルト・フランクさんからけんごが譲り受けた柴犬だ。
ともみ「ハチあんだけ元気やったのになあ。でも17年生きたら長い方か?」
けんご「うん、沢山遊んだし、思い出がいっぱいや。」
動物を葬るかどうかで意見が食い違うところだ。
けんご「お別れ会でいいと思う。あんまり宗教がかったものは苦手や。」
と「もちろんフランクさん来られるんでしょう?何か演奏されるのかな?」
け「フランクさんリスト協会だからリストの曲がいいな。」
と「ラ・カンパネラとか?愛の夢も素敵よ。」
け「それらお馴染みの曲やからな。フランクさんも軽く弾けるわ。それよりも、リストの『前奏曲(レ・プレリュード)=「生は死への前奏曲に他ならない」。これピッタリやで。」
と「ちょー待ち。30人位しか入れないホールにオーケストラが入れるわけないやん。」
け「あんさんよう知っとるな。」
と「当り前やん、妹ピアニストよ。私もその端くれや。見くびらんとって!」
け「よっし、ほな小編成の楽団にフランクさんのピアノ足して、演奏にしあげたらええやん。どうよ?」
と「フランクさん、そんな事承知する?」
け「そりゃそうやん、元は自分が飼ってた犬やで。おいらよりも長く飼ってたんだし、思い込みも強いよ。」
と「じゃあ一曲だけやね。」
け「いや、まだ、ブルックナーの第3交響曲のエンディングをかけるねん。」
と「かける?演奏ちゃうの?」
け「リストの前奏曲よりも大編成だから、ブルックナーは流石に無理。クナッパーツブッシュの指揮したので、まるで地球全体が自転を止めた様な演奏があるねん。あれぴったりや。」
と「さよかー。ブルックナーって、もひとつわからんわ。」
け「それがな、ハマったらめちゃ好きになるねん。ジャズで言うとセロニアス・モンクみたいなもんや。」
さあて、実際に音楽葬が始まった。しかし、宗教色は無く、死んだハチの思い出を語り、音楽で見送るという形式だ。
「前奏曲」は本当に素晴らしい曲だが、そのまま演奏すると長大な式になってしまうから、ラストの2分のみ演奏した。それでも豪華な式になった。
ブルックナーも
「ちゃーーーーん、、ちゃーん・ちゃーん、、、ちゃーーああん。。。」で終わった。実に実感の籠った素晴らしい音楽葬だ。
終了後フランクさんが話してきた。
フ「ケンゴサン、ハチヲコレマデ、カワイガッテクレテ、アリガトーゴザイマシタ。タノシンデイタダイテ、カンシャーシマース。」
スイス弁だ。

葬儀後、けんごは虫歯治療のために近所の歯医者さんに行った。ねえ、最近は看護婦さんが長ズボンのとこ増えたけど、スカートの方がええな。なんかやっぱりフェロモンを感じる。よってけんごも治療なんかどうでもいい。上方からこっちを見てくれる看護婦さんに見とれた。
看「はい、口ゆっくり開けて下さい、あーん。」
け「あーん。」
綺麗な人!坂本九ちゃんの奥さんだった柏木由紀子さんに似てる。髪も後ろに一本でくくっている。けんごは見とれて口を開けっぱなしにした。
看「いいですよー。お口閉じて下さい。」
け「は、はい。」
けんごは思った「(こうやって上から見られると思わずチューしたくなる。でも、こんなとこともみに見られたら妬かれるかもな。笑。指をおいらの肩に突いてジェラシー、ジェラシー!とか言ってよ。ホホホ笑。あいつ指の力も強いからな。力強い、背高い、言う事なしだ。)ハハハハハハと声を出してしまった!
看「けんごさん、どうしたんです?はい、もう一度口を開けて。」

さて歯医者のあとは、親友の亮を呼んで、一緒に映画「風の歌を聴け」のDVDを観た。
真行寺君江「意識を失くした女と寝るような奴はサイテーよ!」
亮「女はきつい事言うなあ。」
けんご「何がキツイねんプッ笑。」
亮「おや?お前こんなん言われて平気か?」
け「そないぬかすおんどれの方が最低じゃ、ダボ!って言い返したらしまいやん。」
亮「しまいって喧嘩別れっちゅうことやろ?」
け「いやそうとも限らんぞ。うちの兄貴も女から直に『サイテーよ』て言われたそうだ。でもな、考えてみいや、男に何も察せずにサイテーとかぬかすんて、アホ女やんけ。」
亮「うーん、言われてみればそうかも。」
け「ま、村上春樹の小説の台詞やし。気にすんな。頑張れ。小説なんて所詮は作り話やんけ。吉田清二もいっとったぞ。」
ブー、玄関のブザーが鳴った。
け「お、ともみ来たわ。」
亮「ほな、帰るわ。色々ありがとね。」
ともみ入って来る。
「亮君、こんばんは。」
亮「あ、どうも、ご無沙汰してます。」
小柄な亮と入れ替わりで、長身のともみが部屋に入ってきた。
亮「(小声で)じぶんら、えらく仲良くなったな。信じられんよ。」
けんご「喧嘩は仲直りの前奏曲に他ならない!」

亮が帰って二人っきりだ。
け「今日は隣が留守だから、思う存分ここでできるぞ。」
と「ええやん。こういう狭いとこの方が身体が密着するから好きよ。
け「ともちゃん、耳たぶ噛まして」
と「うん、きゃっ、気持ちいい。」
け「さあ、俺らだけやし思う存分エッチできるぞ。」
ふたりは服全部脱いだ。ともみは椅子に座った。けんごは椅子から伸びるともみの脚を舐った。
と「くすぐったい、フフ。」
け「ともみちゃん、足の先をおいらの口に突っ込んでおくれ。」
と「うん、噛みしめて。ハイヒールの味がするやろ?」
け「おいしい。噛み応えのある爪先だ。おいらの頭の上から足でさすってくれよ。踏んづけてもいい。」
と「まあ、けんごマゾ?笑」
け「ええ?こんなん嫌なん?」
と「ううん、ス・キ!」
けんごは頭の上を撫でられていい気分だ。ともみも高圧的な態度が自分でも気持ちいいくらいだ。足のサイズも27センチはある。
け「おっぱい舐めさせて」
と「乳首噛んで」
け「うん。噛み噛み。コリコリ」
と「うわあ、ハッスルするわー。」
すると、外から階段を上って来る音がする。
コツン、コツン。
け「あ、お隣帰ってきたな。」
と「えええー?それは困ったわ。」
け「ちょっと静かにしとこか?」
と「ええやんそんなん。隣が勝手に帰ってきたんやし。ハグしよう。」
こんな時ハグするなんてドキドキだ。けんごのちんちんがともみのあそこにぶつかる度に、濡れてきた。
と「うーん、いい気持ー。」と言ってともみの方からけんごにキスしまくった。
隣が部屋に入ったみたいだが、こっちは気にせず続けた。
け「よっし、おいらが下に寝るよ。ともみは上から乗ってよ。これで挿入して上下運動しよう。」
と「モロ聞こえよ。大丈夫?」
け「もう聞こえたってええやん。でもでかい声出すなよ。」
と「うーん、出すかも笑。」
そんな事言っててけんごの方が声出してきた。「うー、おおおお、ああ」
と「静かにしーよ。」
け「よっしここでフィニッシュだ。」
と「それは残念。でもいいか。女性上位セックスいいね。誰もそんなんやってくれへんもん。」
けんごは体内射精した。気持ちいい。ため息。
「喧嘩やめてよかったな。ハハハハハ」
と「しー、聞こえるがな。」
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