退行催眠

文字数 481文字

夕方の教室
今日さ。催眠をかけてあげるよ
催眠? テレビでよくやってるやつ?
叔母が医者で、催眠療法ってのをやっててさ。休みのときに退行催眠のやり方を教えてもらったんだ。試したいのよ
危ないんじゃない。素人がそんなことやっちゃ
大丈夫。催眠をとく方法も教わったから
そういうことじゃなくって
いいよ
ほんと!
ほんとほんと、かからなかったらアイスクリームおごってよ
いいよいいよ。さっそくやろう
大丈夫なの?
平気だよ。催眠なんてかかりゃしないから
机に座って。催眠状態にするから
よし、入った
ほんと?
【M子の耳にささやく】
おばーちゃん。どうして鳥の死体はすぐになくなっちゃうの?
【M子の耳にささやく】
苦しい。泳げないよ。苦しい。苦しい
まだまだ退行させるわよ
ママ、もう食べられない。ママ
あははっ、ママって
【M子の耳にささやく】
寒い、ここは……寒いよ
ねえ、ちょっとM子
(まさか、本当に催眠にかかっているんじゃ)

【冗談だと思っている】

あっ

【教室の出入り口を指さす】

おじさん誰? ――どうしてそんなに歯がとがっているの?
*お疲れ様でした。体験版はここまでです。

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登場人物紹介

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H子役

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