第1話

文字数 410文字

おお、久しぶりですな。
また、大きくなられて。私も嬉しい限りでございます。

こうして会えたということは、私の出番ですかな。

ほほっ!目元がそっくり!
これは貴方似の美人さんになりますな。

それでは、お話を初めましょうか。

お料理好きな野ネズミのお話…

いかがでしたかな。
ほほっ!喜んでいただけましたか
大変嬉しく思います。



…どうされました?こんな夜分遅くに
なるほど、またお話が聞きたいのですな。
お任せ下さい。

ふふ、そんなところも貴方そっくりだ。
何度も何度も、読んでほしいとお母様にねだっておりましたよ。
読んでもらえなくて駄々をこねていたのがつい昨日のようです。

貴方は、おりょうりをする場面が好きでした。
「わたしもおりょうりする!」といって、お母様の後ろについてお手伝いをしておりましたな。
あの時の楽しそうな声、おいしそうな匂い、おふたりの笑顔。
今でも鮮やかに覚えております。


貴方とこの子にとって最初の本になれたことを大変嬉しく思います。
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