第1話

文字数 701文字

ニャーニャーと鳴く
玄関ドアの直近で鳴いている 野良にしては直近過ぎる
止む気配もなく 一音か二音の鳴き声なのに
何かを訴えていることが 分かる鳴き方に
仕方なく ドアを開けると 真っ白の猫が 私の目を見つめる
家でも猫は飼っているから
目をそらさずにこちらの目を見つめるその猫は 不思議
目があったことを確認すると 背を向けて歩き出してしまう
行方を見ていると 4mほど離れたコンテナの後ろから
3匹の子猫を連れて 近寄ってくる 中の一匹を前に押し出しながら
さっきの所まで来た また目を見て鳴く
家でも飼ってはいるけれど 私は特別に猫好きではない
好きで飼っているのは かみさんだから
でもその時は
その程度の私にもはっきりと目の前の親猫の願い事
この子猫を飼って下さいとの訴えは わかった
いつの間にか かみさんも 横に来ていたので 話しかけた
ごめんね からは一言一言を自問自答して話しかけているようだった
私でさえ 言い表せない感情になっていたのだから
猫好きのかみさんにしたら 私はなんとかこらえたけれど かみさんは無理
話しかけれなく無言が続いて 猫の親子は去っていった
しばらくして閉めた玄関 こんな切ない思いで閉めたのはこの時くらいかな
その後
この親猫は 近所の6軒の玄関先にたち 同じ行動をしたと言う
最後の家で一匹を飼う事になり 近所で話し合い親猫と2匹の子猫は
保護をしていると言う方に連絡 引き取られて暮らしていると言う
この猫の話は ここ 玄関先に立たれた家7軒では有名な話となっている
ネットを見ていたら 全く同じような事が紹介されていたけれど
もの凄い上等を身に着けている 上等な野良猫は 各地にいる 来世は人になるんだょ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み