プロット

文字数 1,653文字

【補足】
◎印神とは、成仏できない魂を「光の街 (天国) 」へと導く者のことを指す。光の街へと続く印を残すことで、無事魂を成仏させる。だが人数が少ない。

◎死神は、印神と敵対する存在。主に「闇の都 (地獄)」に住み、魂を闇の都へと連れていく。時にはまだ生きている人間の魂も連れて行ってしまう。闇の都へと連れ込まれた魂は成仏することができない。印神に何らかの方法で、死神の心臓とも呼べる「核」というものを破壊されると、光の街に行くことなく消滅する。

【起】主人公、鼓 輝 (つづみ かがやき)はツッコミが鋭い、クールな地味系男子。
ある日、双子の妹、鼓 日刀 (つづみ ひたち)と一緒に下校していると、道端に淡く光る石が落ちていた。どうやら宝石のよう。とりあえず家に持ち帰ることにした2人だったが、その夜、謎の二人組が部屋の窓をぶち破って侵入してきた!!
「誰だよあんたら。窓ガラスの修理代、ちゃんと払えよ」「は?」
彼らは死神だと名乗り、いきなり大きな鎌で輝と日刀を殺そうとする。そこへ、2人の母が颯爽と現れ、なんと死神たちと交戦し、撤退させた!
母は、自分は印神だと名乗り、あの死神たちは輝と日刀の命を狙っていると言う。その理由は、2人が拾った石「選別の宝玉」によって、2人が印神に選ばれたから。死神たちは、印神や、輝たちのように印神に選ばれた者の命を片っぱしから狙っているらしい。

「命を守るためには、印神となって彼らから身を守る術を学ぶしかないわ」

かくして、2人の印神生活が始まった!!

【承】死神たちに家が特定されているため、やむなく輝たちは引っ越すことになった。転入先のクラスで2人は、2人と同じように印神に選ばれたヤンチャ小僧、百風 楓汰(ももかぜ ふうた)と出会う。
何だかんだ気のあった3人は、母の指導のもと、経験を積んでいく。だが、輝にはひとつ悩みがあって、それは印神なら誰もが持つ特殊能力が、いつまで経っても発現しないことだった。

【転】ある日、ついにあの死神2人組に、居場所を突き止められてしまった!その日、日刀と大喧嘩した輝は、家を飛び出した日刀を、怒りも収まらないまま探しに行く途中、空を飛ぶ死神たちを発見する。慌てて追いかけると、森の中に日刀がいるのを発見する。
謎の直感で後から追いかけてきた楓汰と駆け寄ろうとしたその瞬間、日刀は突然、パイプを手に襲いかかってきた!!輝は、楓汰に応援を呼びに行かせ、何とか自分一人で日刀の暴走を抑えようとする。
だが、死神たちに操られている日刀の力は強かった。二人の様子を上空から眺めていた死神たちはさらに操る力を強める。
苦戦していた輝だったが、一瞬自我が戻った日刀が「私を殺せば全部解決する」と言った言葉に、怒りが頂点に達した。
「っざけんなよ日刀!!死なせてたまるもんか!ぼくのたった一人の妹だぞ!!」
その瞬間、輝の特殊能力が、発現した──!

【結】輝の手の中に、青く燃える刀が現れた。日刀を一瞬で気絶させると、すぐさま恐るべき跳躍力で死神たちに刀を振るう。輝は、青く燃える刀の力に加え、怒りによって身体能力が大幅に向上していた。
地上で激戦を繰り広げる中、輝は2人組の一人、少女の死神が、全く戦闘に関わろうとしないことに気づく。彼女を攻撃すると、日刀を覆っていた操る力が完全に消えた。
「よくもぼくの妹に、手を出したなっ!!絶対許さない!!」
神が渾身の力を込めて男の死神の核を破壊すると、男は涙を流して無念を呟きながら消えていった。気づくと、致命傷を負わせたはずの死神の少女もどこかへ逃げ、楓汰の呼んだ応援が到着した。
目が覚めた日刀を輝はぎゅっと抱きしめ、ごめん、と言った。
「ごめん。ぼく、これからは日刀のプリン勝手に食べない」「約束してよね」「お前らそれが原因で喧嘩したのかよ!!」
3人は顔を見合わせて笑い転げた。

その日、2人は日記帳を作った。最初のページの日付は、2人が選別の宝玉を拾った日、8月6日。
日記帳のタイトルは──

「8月6日に印神」

彼らの夏は、終わらない。
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