2022 11/01 22:00

文字数 574文字

 いつの間にか一日経っていた。ここだと時間の感覚が狂う。

 ああ、外は11月になっているのか。つまり私はもう1日ここにいることになるのか。

 なにか連絡があったりもない。サイトのファンレターにも返信は無い。まだまだここの認知が足りないようだ。

 発見としては外部とこのサイトを通じて連絡しあえる時間帯について分かったことがある。丁度22時そこから1時間程だけ連絡をとりあえるということだ。つまり1日1時間だけ情報交換をチャンスがあるわけだ。

 相変わらず変化はない。歩いても歩いても代わり映えしない景色。誰かにペンキで塗りつぶされたかのようにまっさらな景色。私はこれからどうなってしまうのだろう?私の人生もこの部屋のように変化もなく色もないまっさらな人生に______。

 冗談じゃない。私はここから必ず脱出し元の生活に戻る。そのためにもここは堪え忍ぶ。

 そろそろ食料が必要な筈だ。水はなおさら。もっともここにそういった類のものは期待できそうにない。

 だがあまり空腹感を感じない。時間は1日経っている筈だ(携帯やサイトの不具合があったら話は別だが)。

 どうにもおかしい。なにか根本的なところからおかしい。この場所に軟禁されてから時が経つにつれじわじわとそして確実に違和感、異物感を感じる。ひょっとして私は想像している何倍も深刻な事態に巻き込まれているのでは?


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