第1話 プロット

文字数 990文字


外遊びが大好きな元気な女の子・アカネ(小学四年生)は、友人のジンペイの様子がおかしいことに気付き、放課後、ジンペイの後をつけることにした。


ジンペイはまっすぐ家へ帰った後、すぐに家から飛び出してきた。祖母・ハツがいなくなったからだ。アカネもジンペイと一緒に町を探すことになった。先にハツを見つけたのはアカネだった。ハツは川沿いの桜並木の下に佇んでおり、帰り道がわからなくなってしまったらしい。ジンペイと合流したアカネは、ハツのことを尋ねようとしたが、ジンペイは黙ったままハツのことは何も言わず、逃げるようにハツを連れて帰った。
翌日の放課後、アカネは再びジンペイの家に向かった。ジンペイの家の前に着くと、丁度ハツが家から出てきたところだった。ハツに話しかけると、ハツはアカネを自分の友人だと思い笑顔で家に招いた。二人で縁側に並んでハツの用意してくれた白湯と羊羹を食べる。アカネは殆ど聞き役だったが、ニコニコと話すハツと過ごす時間は楽しかった。
ジンペイが帰ってきた。ジンペイはアカネとハツを見て、怒りながらアカネを家から追い出した。
アカネは毎日ハツの元を訪ねた。初めは怒りながら追い返していたジンペイも、繰り返すうちに怒らずハツとアカネと一緒に三人で過ごすことが増えた。


穏やかに過ごしていた三人だが、日に日にハツの症状が進み、アカネのこともジンペイのことも忘れてしまうことが増えたが、毎日縁側で並んでお喋りをした。
ハツの老人施設への入居の話が持ち上がった。それは山奥に昔からある施設で、いつも薄暗い廃墟のような建物で、良い噂は聞かない施設だった。
ジンペイから入居の話を聞いたアカネは、在宅でケアできないかとジンペイの母親に訴えるも、様々な事情(キャリアや費用など)で拒否されてしまう。それでも何とか入居を辞めさせようと奮闘する。



半年後、ハツは施設へ入居した。しかし山奥の施設ではなく、アカネの家から歩いて10分の場所に新しくできたケアセンターだ。ケアセンターの施設長はアカネの母親。小さな施設で、ヘルパースタッフもまだ数人しかいないが、人手は充分だった。アカネが町中駆け回って、ボランティアやヘルパースタッフを集めたのだ。アカネとジンペイは放課後、施設を訪ねていた。「ハッチャン」縁側に座っていたハツは、アカネの呼びかけにニコニコと笑った。「アカネちゃん、ジンペイ、ありがとう」





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