第一話
文字数 616文字
俺たちは消防員。毎日たくさんの出火を見ては消している。
消防員は、特別な人にしかできない仕事だ。今日は新入隊員を指導する日。ずっと練習しているので、そろそろ皆仕事ができてもおかしくない頃だ。
ーー大抵はそうなのだが、まぐれで受かったようなヤツは、基本的な立ち回りさえこなせない。
「おうい、新入隊員!そこが燃えてるぞ!」
「え?どこがですか?」
「ばかもん。そこだ、そこ」
「はあ??」
俺は同僚の酒井と顔を見合わせ、確信した。
先輩の友人だというそいつは、コネでこの消防団に受かったようなもの。
だから、彼は分からないのだ。出火の場所も理由も。
俺は酒井とその場に突撃した。
周りにはあたふたしている何人かの新入隊員たち。
それ以外の新入隊員は出火なんか目もくれちゃいない。
「せっ、先輩……っ、中に人が……っ!」
真面目な新入隊員、タツキが叫ぶ。中からは大声が聞こえてきた。中に人がいる。
俺と酒井はホースを構え、一気に水を出した。
びしゃあっ!
音が響き渡り、同時に火が消えていく。
「ふう……」
俺は酒井と苦笑した。
その瞬間、火の中から現れたのは、大声で言い争っているカップルだった。
↓
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【解説】
彼らは「特別な能力を持つ」消防団でした。その能力とは、怒りなどの大きな感情が炎のように視えるというものです。
だから、先輩の友人だという新入隊員には炎が視えず、消火活動ができなかったのです。
☆意味がわかると怖くない話
消防員は、特別な人にしかできない仕事だ。今日は新入隊員を指導する日。ずっと練習しているので、そろそろ皆仕事ができてもおかしくない頃だ。
ーー大抵はそうなのだが、まぐれで受かったようなヤツは、基本的な立ち回りさえこなせない。
「おうい、新入隊員!そこが燃えてるぞ!」
「え?どこがですか?」
「ばかもん。そこだ、そこ」
「はあ??」
俺は同僚の酒井と顔を見合わせ、確信した。
先輩の友人だというそいつは、コネでこの消防団に受かったようなもの。
だから、彼は分からないのだ。出火の場所も理由も。
俺は酒井とその場に突撃した。
周りにはあたふたしている何人かの新入隊員たち。
それ以外の新入隊員は出火なんか目もくれちゃいない。
「せっ、先輩……っ、中に人が……っ!」
真面目な新入隊員、タツキが叫ぶ。中からは大声が聞こえてきた。中に人がいる。
俺と酒井はホースを構え、一気に水を出した。
びしゃあっ!
音が響き渡り、同時に火が消えていく。
「ふう……」
俺は酒井と苦笑した。
その瞬間、火の中から現れたのは、大声で言い争っているカップルだった。
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【解説】
彼らは「特別な能力を持つ」消防団でした。その能力とは、怒りなどの大きな感情が炎のように視えるというものです。
だから、先輩の友人だという新入隊員には炎が視えず、消火活動ができなかったのです。
☆意味がわかると怖くない話