第1話

文字数 1,237文字

それなりに夢はありました。
幼少時代は、現実や自分の能力なんて一切考えず、好き勝手に夢を見ました。
成長するにつれ様々な挫折と経験を繰り返し、身の程を知り、身の丈にあった夢を持つようになりました。
ほとんどの人がそうだと思います。あなたもそうでしょう?僕もそうでしたし、彼女もきっとそうです。
………………………
そうです…しかし……身の程を知らなかった訳ではないのです。身の丈にあった夢を持ったつもりでした…。良くないこと。…勿論…分かっています。
ただ、一番最初に思いついてしまった夢が…いつまでも心臓にべったりと貼り付いて取れませんでした。


一番最初に会ったのは…中学の時でした。
本当に最初に会ったのは小学生の頃だったんだと思います。はい、同じ小学校でしたが、中学に上がるまで気づきませんでした…。はい…それほど人に興味が無かったのです。
はい。それで…中学二年生の始業式に彼女を知りました。
一年の頃はほとんど学校に行っていなかったから…
知り合ったのも中学二年生の頃でした。2012年の4月9日に初めて会話しました。

友達になったのは6月9日でした。彼女が僕を友達だと言ったのがその日です。
……7月6日に、彼女と初めて一緒に帰りました。そこからはたまに、彼女の気まぐれで一緒に帰る用になりました。
その頃にはもうほとんど毎日学校に来ていました。
……それも勿論あります………その…
あまり会わないと、彼女は、昨日の気まぐれを忘れるのと同じで…僕を忘れてしまうんじゃないかと…はい…

そこから…たまに放課後にも彼女と会うようになりました。
半ば強引に約束を取り付けて来られました。それが嬉しくて…
夏休みに入ると…夏祭りにも行きました。いえ、数人で行きました。彼女は凄く外向的で…その頃には彼女を通じて…というか…自然とクラスにも馴染めて来ていました。
凄く楽しかったのを覚えています。

そこから、段々と仲は深まって来ました。
12月10日に、告白しました。初めての経験でした。
余り実感が無くて…嬉しさが込み上げて来たのは家に帰ってしばらく経ってでした。
嬉しくて…恋人らしい事は、中学を卒業するまでにほとんどやりました。
高校は、彼女と一緒の高校へ行きました。
高校生活は楽しかったです。気の合う友人も出来て。
はい…それで…彼女が17の時に…亡くなって…
その日は家に行きました。彼女は、今日は家に親が居ないと、ソファに腰掛けて言いました。
いや…その状況は初めてじゃなかったですから…
はい。その時に頼みました。
……戸惑っていました。説明して、状況を理解したら…拒絶しました。それで…

………沢山くれたのに。何もかも、信じられないくらい沢山くれたのに。拒むから…だから………………

……終わった後、シャワーを浴びて帰りました。
証拠隠滅なんて…そんなこと考えられる訳ないじゃないですか。ただベタベタしたから…
服にもついてしまったし…そのまま帰るわけにもいかないから…

特に心臓の部分の血が…べったりついて取れなかったから…
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